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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第9巻 最終強化編

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第5話「次元の狭間」

 空間そのものへの理解を深めるレンの研究は、次第に、宇宙全体を巻き込む、壮大なプロジェクトへと発展していった。


「零崎殿、この規模の実証実験となると、銀河連邦全体の協力が不可欠になります」


 ヴェルミナが、慎重な口調で告げる。


「はい。皆さんに、事情を説明して、協力を仰ぎましょう」


 レンは、銀河連邦の各文明代表者を集め、これまでの研究成果と、今後の展望を、丁寧に説明した。


「空間そのものの安定性を高めることができれば、これまで各地で報告されている、次元の歪みによる異常現象――それらを、根本的に解決できる可能性があります」


 その説明に、各文明の代表者たちから、大きな期待の声が上がった。


『我々アルゴス集合体も、全面的に協力しよう』


 集合意志が、力強く応じる。


『貴殿の理論、既にいくつかの辺境星系で発生している、空間の不安定化現象――その解決にも、大きく貢献するはずだ』


「ありがとうございます」


 こうして、銀河連邦全体を巻き込んだ、壮大な実証実験の準備が、着々と進められていった。


 だが、その準備の最中、思いがけない事態が発生した。


「零崎殿、緊急事態です!」


 ヴェルミナが、慌ただしく駆け込んでくる。


「どうしましたか」


「辺境の星系で、空間の歪みが、急激に拡大しています! このままでは、周辺の複数の星系が、次元の狭間に呑み込まれる危険性があります!」


「なんだと……!」


 レンは、即座に、現地への急行を決断した。


「時間がありません。今すぐ向かいます」


 現地に到着したレンたちを待っていたのは、想像を絶する光景だった。空間そのものが、まるで裂けるように歪み、周辺の星々が、次々とその狭間に引き込まれていく。


「これが……次元の崩壊」


 レンは、思わず息を呑んだ。


「レン、時間がない! 早く、対応を!」


 ガイウスの叫びに、レンは、即座に集中を高めた。


(これまで積み重ねてきた理解の、全てを注ぎ込む……!)


「強化!」


 レンの掌から、これまでにない、圧倒的な光が溢れ出した。


 空間の歪みへと向けられたその光は、まるで裂け目を縫い合わせるように、周囲の空間構造を、静かに、しかし確実に安定させていく。


「歪みが、収まっていきます……! 空間構造、安定を取り戻しつつあります!」


 ヴェルミナの報告に、レンは、深い安堵の息を吐いた。


「間に合った……のか」


 こうして、レンは、次元の崩壊という、これまでにない危機を、辛うじて乗り越えることに成功した。


 だが、この一件は、レンに、これまで以上の緊張感をもたらすこととなった。


(次元の崩壊……これは、もしかしたら、以前高次元の存在が語っていた、宇宙の“境界”の問題と、繋がっているのかもしれない)


 これより、レンの物語は、いよいよ、宇宙の外側――高次元の領域そのものへと向かう、最終局面へと突入していくこととなる。


(第6話へ続く)


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