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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第8巻 ブラックホール編

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第10話「深淵からの帰還」

 真の深淵での経験を経て、レンたちは、いよいよ最終的な帰還の途につくこととなった。


「これで、当面の危機は、去ったんですね」


 ヴェルミナの問いに、宇宙管理AIが、静かに応じた。


『左様。だが、これで全てが終わったわけではない』


「まだ、何か……?」


『この宇宙には、いまだ多くの謎が眠っている。貴殿が今回得た、“関係性を理解する力”――それは、いずれ、この宇宙の、さらに深い真理へと繋がっていくことになるだろう』


 その言葉に、レンは、静かに頷いた。


「はい。これからも、一つ一つ、理解を重ねていきます」


 こうして、レンたちのスペースクラフトは、ブラックホールの深部から、静かに離脱していった。


「銀河連邦の本拠地まで、あとどれくらいですか」


 レンの問いに、ヴェルミナが、計器を確認しながら答える。


「通常航行で、およそ三日といったところです」


「ゼロ号がいたら、あっという間だったのにな」


 ガイウスが、少し寂しそうに呟いた。


「うん……」


 レンは、静かに、船内に残るゼロ号の記憶を、胸に刻み込んだ。


 帰還の道中、レンは、これまでの旅路を、静かに振り返っていた。


(最弱と笑われた俺が、錆びたナイフから始まって、戦車、戦闘機、宇宙船、そして物理法則そのものまで、理解を重ねてきた。多くの仲間と出会い、多くのものを失いながらも、ここまで歩いてきた)


「レン、何を考えてるの?」


 レティシアが、通信越しに、優しく問いかけてくる。


「うん……これまでの旅路のこと、色々と」


「あんたは、本当によく頑張ってきたわ」


 レティシアの言葉に、レンは、静かに笑みを浮かべた。


「ありがとう、レティシア。……もうすぐ、帰るから」


「待ってるわ。皆で」


 銀河連邦の本拠地へと帰還したレンたちを迎えたのは、静かな、しかし心からの歓迎だった。


「零崎殿、お帰りなさい」


 多くの仲間たちが、レンたちの帰還を、温かく迎え入れた。


「ただいま……色々あったけど、なんとか、帰ってこられました」


 レンは、深い安堵と共に、これまでの経緯を、仲間たちに丁寧に語った。


 ゼロ号を失った悲しみ、高次元の存在との対話、そして宇宙そのものへの新たな理解――全てを共有した後、レンは、静かに、次なる決意を口にした。


「この宇宙には、まだ多くの謎が眠っています。俺は、これからも、理解を重ねながら、この宇宙全体を守り、そして皆と共に歩んでいきたいと思います」


 その言葉に、集まった仲間たちから、力強い拍手が沸き起こった。


 こうして、レンたちの、ブラックホール編という、大きな試練に満ちた物語は、一つの区切りを迎えることとなった。


 だが、レンの旅路は、まだ終わらない。


 この宇宙の、さらに深い真理――そして、宇宙そのものの創造という、最大の局面へと、レンの物語は、いよいよ向かっていくこととなる。


(第8巻・完 第9巻へ続く)


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