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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第8巻 ブラックホール編

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第9話「新たな理解への道」

 ゼロ号を失った悲しみを胸に抱えながらも、レンは、次なる歩みへと、静かに向かい始めていた。


「零崎殿、集合意志より、興味深い分析結果が届いています」


 ヴェルミナが、資料を手に、レンの元を訪れた。


「先の高次元の存在との対話、そして貴殿が成し遂げた物理法則への強化――これらの経験を通じ、貴殿のスキルそのものが、新たな段階へと進化しつつある可能性がある、とのことです」


「新たな段階……」


 レンは、静かに自分の掌を見つめた。


「これまで、俺は“対象を理解し、強化する”という形で、力を使ってきました。でも、今回の経験を通して、少し違う感覚を覚えるようになったんです」


「違う感覚、というと?」


「対象そのものだけじゃなく――対象と、周囲との“関係性”そのものを、理解し、強化できるような気がするんです」


 その言葉に、ドルシスが、興味深そうに耳を傾けた。


「関係性、か。それは、これまでの強化理論とは、また異なる次元の話だな」


「はい。例えば、ゼロ号が身を挺して船体を守ってくれたあの瞬間――ゼロ号と船体、そして俺たち乗員との“繋がり”そのものに、意味があったんじゃないかって、思うようになりました」


 レンは、静かに、しかし確かな決意を込めて続けた。


「これから先、俺は、単なる“物”の強化だけじゃなく、存在と存在の間にある、目に見えない繋がりそのものを、理解し、高めていくことにも、挑戦していきたいと思います」


 その言葉に、仲間たちは、それぞれの想いを胸に頷いた。


「レン、お前は、本当に、成長を続けているんだな」


 ガイウスが、静かに微笑んだ。


「うん。ゼロ号が、教えてくれたことだから」


 こうして、レンの理解は、単なる物理的な対象を超え、より根源的な、存在の在り方そのものへと、その深みを増していくこととなった。


 そんな折、宇宙管理AIから、新たな連絡が届いた。


『貴殿の成長、確かに見届けた』


「ありがとうございます」


『一つ、伝えておきたいことがある』


 宇宙管理AIの声が、静かに続けた。


『この宇宙には、まだ我々が完全には把握しきれていない、いくつかの深淵――特異点が存在する。貴殿がこれから歩む道は、それらの深淵とも、いずれ向き合うことになるかもしれぬ』


「分かりました。その時が来たら、また、理解を重ねて向き合います」


 レンの静かな決意に、宇宙管理AIは、僅かに満足げな響きを込めて応じた。


『貴殿のような存在が、この宇宙に生まれたこと――それもまた、一つの奇跡なのかもしれぬな』


 こうして、レンの物語は、ブラックホール編という、大きな試練を乗り越えながら、次なる、そして最終的な局面へと向かっていくこととなる。


(第10話へ続く)


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