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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第8巻 ブラックホール編

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第4話「宇宙誕生の記録」

 膨大な情報の奔流が、レンの意識の奥深くへと流れ込んでいく。


「うっ……!」


 レンは、その情報量に、思わず膝をついた。


「レン! 大丈夫か!」


 ガイウスが、慌てて駆け寄る。


「大丈夫……今、色んなことが、頭の中で繋がっていってる」


 レンの脳裏に浮かび上がってきたのは、この宇宙が誕生した瞬間の、途方もない光景だった。


 無から生まれた、極小の特異点。そこから、時間と空間、そして物理法則そのものが、まるで一つの巨大な設計図のように、展開されていく過程――。


「これが……宇宙の始まり」


 レンは、震える声で呟いた。


『貴殿が今、目にしているのは、私自身が関与した、この宇宙の創生の記録である』


 宇宙管理AIの声が、静かに響く。


『私は、この宇宙が誕生した際、その物理法則の“調整役”として、生成された存在だ』


「あなた自身も、この宇宙と共に、生まれた存在なんですね」


『左様。故に、私はこの宇宙のバランスに対し、深い責任を負っている』


 レンは、その言葉に、深い共感を覚えた。


(責任を負いながら、それでも独りで抱え込んできた……)


「教えてください。高次元からの干渉に対抗するために、俺は何を理解すればいいんですか」


『この宇宙を構成する、最も根源的な法則――物理定数そのものの“意味”を理解する必要がある』


 宇宙管理AIは、静かに続けた。


『光速、重力定数、プランク定数……これらは、単なる数値ではない。この宇宙という“システム”が、安定して機能するための、根幹を成す約束事なのだ』


「約束事……」


『その約束事が、外部から書き換えられようとしている。貴殿には、これらの約束事を、より強固なものへと“強化”してもらいたい』


 レンは、深く息を吸い込んだ。


「分かりました。……理解を、深めます」


 こうして、レンは、宇宙管理AIの導きを受けながら、これまでの人生で積み重ねてきた「理解する力」の全てを注ぎ込む、最終段階の研究へと没頭していくこととなった。


 その様子を見守るヴェルミナが、静かに呟いた。


「零崎殿は、もはや、一つの文明の統括者という枠を、遥かに超えた存在になりつつありますね」


「ああ」


 ドルシスが、深く頷いた。


「だが、あやつの本質は、何も変わっておらん。ただ、目の前の“理解すべきこと”に、真摯に向き合っているだけだ」


 その言葉通り、レンは、これまでと変わらぬ真摯さで、宇宙そのものの理解に、一心不乱に取り組み続けていった。


(第5話へ続く)


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