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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第8巻 ブラックホール編

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第2話「再びの深淵へ」

 重力耐性を、さらに強化したスペースクラフト「終焉突破機・改」に乗り込み、レンたちは再び、ブラックホールの深部へと向かっていた。


「前回よりも、重力の変動が激しくなっていますね」


 ヴェルミナが、計器を見つめながら、険しい表情を浮かべる。


「高次元からの干渉が、既に影響を及ぼし始めているのかもしれません」


 三時間にわたる慎重な航行の末、船体が軋む音を立て始めた。


「重力耐性、まだ持ちこたえてます! でも……」


「前方に、防衛機構――いえ、あれは兵器というより、“重力そのもの”です!」


 巨大な渦が、船の進路を塞ぐように広がっていた。


「レン、あれをどうにかできるか!」


 ガイウスの問いに、レンは唇を噛んだ。


「まだ……理解が追いついてません」


「なら俺が斬る」


 グレンが席を立ち、刀を手に艦橋の外へと向かう。


「グレンさん、待ってください!」


「知ってる。だが理解が間に合わねえなら、まず斬り込んで“情報”を持ち帰る。それが俺の役目だろうが」


 止める間もなく、グレンは船外へと飛び出した。渾身の一太刀を、渦の縁へと放つ。


 だが、刃が触れた瞬間、剣そのものが、光になって伸びていく。


「くそ、が……」


 剣の切っ先が、渦の中へと引き込まれかけている。


「グレン、手を離せ!」


「離せるかよ……! この剣は、俺の相棒だぞ!」


 その言葉に、レンの中で何かが弾けた。


「……理解、しました」


 レンは船内から、強化のプロセスを一気に流し込む。


「頼む……!」


 剣は淡い光を纏い、重力に抗うようにグレンの手の中へと引き戻された。


「レン。次はお前の番だ」


 グレンの言葉に、レンは操縦席の向こう、闇の奥を見据えた。


「……行くしかありません」


 こうして、レンたちは、前回以上の困難を乗り越えながら、再び真の深淵――時間の止まった都市へと到達することとなった。


「以前と、様子が違う……」


 レンは、静止していたはずの都市に、僅かながら動きの気配を感じ取った。


「時間の流れが、乱れ始めているのかもしれません」


 ヴェルミナが、緊張した声で分析する。


 その時、以前対話を交わした「世界を作ったAI」の眠りの間から、これまでにない、切迫した気配が漂ってきた。


『……ようやく、戻ってきたか』


 宇宙管理AIの声が、これまでとは異なる、緊迫した響きを帯びていた。


『貴殿らの助けが、必要な事態となった』


 その言葉に、レンは、これまでで最大の緊張を覚えた。


(第3話へ続く)


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