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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第7巻 宇宙戦争編(後編)

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第8話「物理法則への第一歩」

 物理法則そのものへの強化――その途方もない挑戦に向け、レンは、これまでとは全く異なる次元の研究を開始することとなった。


「まず、何から手をつけるべきでしょうか」


 ヴェルミナの問いに、レンは、しばらく考え込んだ。


「これまでの強化は、常に“対象”があった。ナイフ、盾、戦車、宇宙船……でも、物理法則そのものには、明確な“形”がない」


「確かに、光速や重力といった概念は、触れることも、目で見ることもできませんね」


「だからこそ、これまで以上に、深い“理解”が必要になるはずです」


 レンは、集合意志、そして深淵の管理者から得た知識を、一つ一つ丁寧に読み解いていった。


 光速の本質、重力の正体、空間という概念そのものの成り立ち――これまでの人生で培ってきた「理解する力」の全てを注ぎ込む、壮大な研究が始まった。


『マスター、集合意志より、追加の理論資料が届きました』


 ゼロ号が、次々とデータを転送してくる。


「ありがとう、ゼロ号。……これは、本当に、途方もない挑戦だ」


 レンは、何度も頭を抱えながらも、着実に理解を積み重ねていった。


 そんなある日、小さな実験の成果が、初めて形になった。


「これは……」


 レンが強化を施したのは、小さな金属片だった。だが、その金属片の周囲だけ、僅かに光の屈折率が変化していることが、観測機器を通じて確認された。


「光の速度に、局所的な変化が……!」


 ヴェルミナが、驚愕の声を上げる。


「まだ、ほんの僅かですが……理論上は、可能だということが、証明されました」


 レンは、深い手応えを感じながら、さらなる研究へと没頭していった。


「レン、無理はするなよ」


 ガイウスが、心配そうに声をかける。


「大丈夫。これは、俺だけの挑戦じゃない。この宇宙のバランスを守るための、大切な一歩だから」


 こうして、レンの研究は、着実に、しかし確実に、前進を続けていった。


 だが、その矢先――思いがけない知らせが、銀河連邦全体を揺るがすこととなる。


「零崎殿、緊急事態です!」


 ヴェルミナが、慌ただしく駆け込んできた。


「どうしましたか」


「観測網が、宇宙の外縁――これまで確認されたことのない、未知の領域からの、強大なエネルギー反応を検知しました」


「未知の領域……?」


「詳細は不明ですが、専門家の分析によれば――この宇宙そのものの“外側”に関わる可能性がある、とのことです」


 その報告に、レンは息を呑んだ。


(この宇宙の、外側……)


 物理法則そのものへの理解を深めつつあったレンに、さらに壮大な、そして未知なる領域への扉が、静かに開かれようとしていた。


(第9話へ続く)


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