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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第6巻 宇宙戦争編

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第9話「準備の日々」

 ブラックホール文明の存在が明らかになってから、レンたちは、これまで以上に緊張感を持って、来るべき対峙への準備を進めていった。


「通常の物理法則が意味を失う領域……そこでの活動には、これまでの技術体系だけでは、到底対応できないでしょう」


 ヴェルミナが、集めた資料を前に、険しい表情を浮かべる。


「重力そのものへの理解が、不可欠になりそうですね」


 レンは、資料を読み込みながら、これまでにない規模の学習に取り組み始めていた。


「マスター、集合意志より、重力理論に関する追加資料が届きました」


 ゼロ号が、次々とデータを転送してくる。


「ありがとう、ゼロ号。……これは、本当に、途方もない話だ」


 レンは、重力の本質、時空の歪み、特異点における物理法則の破綻――理解すべき事柄の膨大さに、何度も頭を抱えた。


 そんな中、獅堂グレンもまた、レンの研究に付き合うようになっていた。


「なあ、レン。俺の剣、ブラックホールじゃ意味を成さねえって話だったよな」


「はい……恐らく、通常の物理法則に基づく攻撃は、全て無効化されてしまう可能性が高いです」


「なら、俺はどうすりゃいい」


 グレンの問いに、レンは少し考え込んだ。


「もしかしたら、あなたの剣そのものを、俺が理解し尽くせば……重力にも抗える強化が、できるかもしれません」


「俺の剣を、理解する、か」


 グレンは、興味深そうに笑った。


「面白い。やってみろよ」


 こうして、レンは、グレンの剣という、これまでとは全く異なる対象への理解にも、取り組み始めることとなった。


 一方、ドルシスもまた、かつての故郷で得た知識を惜しみなく提供し、レンの研究を支えていた。


「レン、わしの故郷でも、特異点に関する研究は、ついに完成を見なかった。それほどまでに、困難な領域だ」


「それでも、俺はやってみます。理解できないことなんて、ないはずだから」


 その言葉に、ドルシスは静かに頷いた。


「その心意気だ。お前ならば、必ず道を切り開けるだろう」


 数ヶ月にわたる準備期間を経て、レンたちは、ついに、重力耐性を備えたスペースクラフトの試作機を完成させるに至った。


「試験航行、開始します」


 完成した試作機が、静かに発進する。


「重力耐性、確認中……安定した数値を維持しています!」


 管制室に、期待と緊張の入り混じった声が響く。


「よし……これなら、いける」


 レンは、深い手応えを感じながら、次なる挑戦――ブラックホールそのものへの接近を見据えていた。


 だが、この準備が完了する頃、宇宙全体に、思いがけない変化が訪れようとしていた。


「零崎殿、集合意志より、緊急の通信です」


 ヴェルミナの声に、レンは緊張しながら通信に応じた。


『貴殿らへ、伝えねばならぬことがある』


 集合意志の声には、これまでにない、重々しい響きが込められていた。


『ブラックホール文明が――既に、こちらの動きを察知している可能性がある』


 その言葉に、レンは息を呑んだ。


(第10話へ続く)


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