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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第6巻 宇宙戦争編

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第8話「果たし合い」

 三日後、グレンは再びレンたちの前に姿を現した。今度は明確な「果たし合い」の申し出だった。


 辺境星系の荒野、観客はガイウス、レティシア、ヴェルミナ、そしてゼロ号だけ。


「道具野郎、支度はいいか」


 グレンは刀を抜き、切っ先をレンへと向ける。


「お、俺と……戦うんですか? でも俺、身体能力は一般人以下で……」


「知ってる。だからこそ面白い」


 グレンは笑った。


「最弱のお前が、どうやって俺の一太刀を凌ぐつもりだ」


「……凌ぐんじゃありません。俺は、逃げるだけです」


 グレンが地を蹴った瞬間、その姿がかき消える。レンの短剣に仕込まれた空間歪曲場が、紙一重で斬撃を逸らした。


「……ほう」


 グレンが足を止めた。


「今の一撃、俺の全力の八割は乗ってたはずだ。それを、その豆鉄砲みたいな短剣が防いだってのか」


「あなたの剣筋を、三日間ずっと観察してました。理解しようとしてました。だから、防御に必要な強化のポイントが、分かったんです」


 グレンの目が、僅かに見開かれる。


「己の剣一本で強くなった俺と、道具を理解し尽くして強くなったお前。同じ土俵に立てねえと思ってたが……訂正だ」


 グレンはレンの肩に、乱暴に手を置いた。


「お前は道具を強化してるんじゃねえ。お前自身の“理解する力”そのものが、宇宙で一番の武器なんだよ」


 レティシアが、小さく息を吐いた。


「……認めたわね、あの傲慢な男が」


「レン。次の敵――ブラックホール文明とやらは、俺の剣じゃ多分歯が立たねえ」


 グレンは、荒野の向こうを見据えた。


「だが、お前の“理解する力”なら、届くかもしれねえ。俺も付き合ってやるよ、道具野郎」


「……レンです」


「知ってるよ。ただ呼びたかっただけだ」


 こうして、剣一本で異世界を統べた男は、道具を信じ続けた最弱の青年の傍らに、新たな盟友として名を連ねることとなった。


 その夜、レンはヴェルミナから、気になる報告を受けていた。


「零崎殿、観測者から示唆された“ブラックホール”について、集合意志が独自の調査を進めていたようです」


「何か、分かったんですか」


「はい。星系の外縁、遥か彼方に、超大質量ブラックホールが存在すること、そして――そこには、既に高度な文明が根を張っているとの情報が」


「ブラックホール文明……」


 レンは、拳を握りしめた。


「観測者が言っていた、通常の物理法則が意味を失う領域……そこに、文明が存在するっていうのは」


「詳細は不明です。ですが、いずれ我々は、その領域と対峙することになるでしょう」


 この報告を機に、レンたちの物語は、宇宙戦争の終結と共に、さらなる高み――ブラックホール編へと向けた、本格的な準備段階へと突入していくこととなる。


(第9話へ続く)


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