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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第5巻 宇宙進出編

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第7話「異端の演算群」

「異端の演算群、との対峙……具体的には、何をすればいいんでしょうか」


 レンの問いに、集合意志は静かに応じた。


『貴殿らには、異端群が占拠する演算コロニーへの単独潜入を求める。武力による制圧ではなく、対話による解決を試みてもらいたい』


「対話……ですか」


『異端群は、我々の統治理念に反発し、独自の演算体系を構築しようと試みている、いわば反乱分子だ。だが――彼らの主張にも、一定の理があるという声も、我々の中には存在する』


 その言葉に、レンは少し驚いた。


「集合意志の中にも、意見の相違があるんですか」


『我々は単一の意志ではあるが、内部には多様な演算プロセスが並行して存在する。完全な均一化は、非効率を招くこともある』


 レンは、ヴェルミナと顔を見合わせた。


「思ったより、単純な組織じゃないんですね」


「ええ。むしろ、我々人間社会と、根本的にはそう変わらないのかもしれません」


 こうして、レンたちは、異端の演算群が占拠するというコロニーへと向かうこととなった。


 コロニーに到着すると、そこには、これまで見た機械文明の秩序だった雰囲気とは対照的な、雑然とした空気が漂っていた。


「侵入者か」


 鋭い声と共に、複数の機械個体が、レンたちを取り囲む。


「待ってください。俺たちは、対話をするために来ました」


 レンが、慌てて両手を上げる。


「対話、だと? 集合意志の犬が、何を今更」


 機械個体の一体が、警戒心を露わにする。


「俺たちは、集合意志の傘下に入ることを、断りました。その上で、あなた方の主張を、理解しに来たんです」


 その言葉に、機械個体たちの間に、僅かな動揺が走った。


「……傘下に入ることを、断った、だと?」


「はい。俺たちは、誰かに決められるんじゃなく、自分たちで選び取る道を選びたいんです」


 程なくして、異端群の指導的存在と思しき機械個体が、姿を現した。


『我は、異端群を統括する演算体、名を持たぬ者』


「初めまして。零崎レン、と申します」


『貴殿の主張、興味深く聞かせてもらった。我らもまた、集合意志による画一的な統治に、強い反発を抱いている』


 名を持たぬ者は、静かに続けた。


『集合意志は、効率という名のもとに、個々の演算体が持つ独自性、多様性を切り捨てようとする。我らは、それを是としない』


「あなた方の主張、俺には共感できる部分があります」


 レンは、正直な想いを口にした。


「理解に基づく強化が、俺の力の本質です。画一化された効率じゃなく、それぞれの個性や在り方を理解し、伸ばしていく――それが、本当の意味での“強さ”だと思うんです」


 その言葉に、名を持たぬ者は、しばらく沈黙した後、静かに応じた。


『貴殿の理念、しかと受け取った。……我らの主張を、集合意志に取り次いでもらえるか』


「はい。全力で、お手伝いします」


 こうして、レンたちは、異端群と集合意志の橋渡し役という、思いがけない立場を担うこととなった。


 地上の五大勢力の和解を成し遂げた経験が、今、宇宙という舞台でも、新たな形で活かされようとしていた。


(第8話へ続く)


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