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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第5巻 宇宙進出編

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第3話「宇宙船の理解」

 斥候個体が残していった機体データを解析するため、レンたちは新たな作業拠点――旧ドラケイン帝国の宮殿跡地に建設された、大陸連合の技術研究所へと拠点を移していた。


「このデータ量、想像を絶しますね」


 ヴェルミナが、膨大な解析データを前に、思わず息を漏らした。


「地球の技術体系とも、この異世界の魔導技術とも、根本から異なる原理が使われています」


 レンは、資料を読み込みながら、必死に理解を深めていった。


「重力制御……反物質エネルギー……ワープ理論……」


 これまでの戦車や戦闘機とは、次元の異なる概念の数々に、レンは何度も頭を抱えた。


「レン、無理をするなよ」


 ガイウスが、心配そうに声をかける。


「大丈夫。時間はかかるかもしれないけど、一つ一つ、理解していけば、必ず道は開ける」


 その言葉通り、レンは寝る間を惜しんで、宇宙技術への理解を積み重ねていった。


 数週間後、ようやく最初の成果が形になり始めていた。


「これが、宇宙船の試作機……」


 これまでの戦闘機の技術を応用しつつ、新たに理解した宇宙工学の理論を組み込んだ、小型の実験機が完成していた。


「試験飛行を行います」


 基地上層部の立ち会いのもと、レンは実験機に強化を施していく。


「まずは、大気圏突破の性能から」


 実験機が、轟音と共に発進し、瞬く間に大気圏を突破していく。


「大気圏突破、成功であります!」


 ゼロ号の報告に、研究所全体から歓声が沸き起こった。


「よし……次は、速度の限界に挑戦しよう」


 レンは、推進機構への理解をさらに深めていった。反物質エネルギーの理論、重力制御による慣性緩和――理解が深まるごとに、実験機の性能は、想像を絶する領域へと突入していく。


「速度計測……光速の、10パーセントを突破!」


「な、なんだと……!」


 研究者たちの間に、驚愕の声が広がる。


「まだ、いける」


 レンは、さらに理解を重ねていった。


 数ヶ月にわたる地道な研究の末――ついに、その日が訪れた。


「速度計測……光速、突破確認!」


 管制室に、割れんばかりの歓声が響き渡った。


「や、やった……! 光速を超えたぞ……!」


「零崎殿、これは……人類史上、いえ、この惑星の歴史上、初めての快挙です!」


 レンは、モニターに映る実験機の航跡を見つめながら、深く息を吐いた。


「まだ、始まりに過ぎません。ここからさらに――ワープ技術の実現を目指します」


『マスター、素晴らしい成果であります!』


 ゼロ号の弾んだ声に、レンは僅かに笑みを浮かべた。


 だが、この輝かしい成果の裏側で、レンの脳裏には、常にある予感が付きまとっていた。


(機械文明の“判断”は、まだ下されていない。彼らが、俺たちの技術を見て、どう動くか……)


 果たして、機械文明は、レンたちを敵と見なすのか、それとも――。


 宇宙という、これまでとは比較にならない広大な舞台で、レンたちの新たな戦いが、幕を開けようとしていた。


(第4話へ続く)


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