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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第3巻 国家戦争編

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第9話「無効化の脅威」

「強化無効化の技術……ドルシス殿、何かご存知のことは?」


 ヴェルミナが、老技術者に問いかける。


 ドルシスは、しばらく重い沈黙を保った後、静かに口を開いた。


「……古代文明の遺物には、確かに、あらゆる強化・付与効果を打ち消す性質を持つものが存在すると言われている」


「それは、本当ですか」


「わしも、詳細までは知らぬ。だが、もしザガレス皇帝がその類の遺物を手に入れたのだとすれば……レン、お前の力が、通用しなくなる可能性は、十分に考えられる」


 レンは、ドルシスの表情に、僅かな陰りを感じ取った。


「ドルシスさん、何か、隠していることがあるんじゃ……」


「……いや、今は、憶測で語るべきではないな」


 ドルシスは、それ以上の言及を避けるように、話を切り上げた。


 その夜、レンは一人、作業場で資料を読み込みながら、対抗策を模索していた。


「もし本当に、強化そのものが無効化されるとしたら……俺にできることは、何があるだろう」


『マスター、一つ提案がございます』


 ゼロ号が、静かに声をかけてくる。


「なんだい、ゼロ号」


『強化無効化が、既存の強化効果に対するものだとすれば――無効化されるより早く、新たな強化を重ね続けることで、対抗できる可能性があります』


「新たな強化を、重ね続ける……?」


『はい。無効化の効果が及ぶ前に、次々と強化を上書きしていけば、実質的な性能低下を最小限に抑えられるかもしれません』


 レンは、その提案に目を見開いた。


「それは……理論上は、可能かもしれない。ただ、相当な集中力と、演算処理能力が必要になりそうだ」


『その点は、ゼロにお任せください! マスターの強化プロセスをサポートする形で、演算処理を代行いたします!』


 こうして、レンとゼロ号は、来るべき「無効化」への対抗策を練り上げていくこととなった。


 数日後、その脅威は、思いがけない形で現実のものとなった。


「報告! 東部国境付近で、原因不明の“力の消失”現象が多発しています!」


 伝令兵の報告に、指揮所全体に緊張が走った。


「詳細は?」


「巡回中の戦車隊、突如として強化効果が消失し、通常の旧式装備に戻ってしまったとのことです」


「なっ……!」


 レンは、血の気が引く思いだった。


「零崎殿、これは……」


「ザガレス皇帝の、対抗手段が……本当に実戦投入された、ということですね」


 ヴェルミナの言葉に、レンは拳を握りしめた。


「現地に急行します。ゼロ号、例の対抗策、実践する時が来た」


『了解であります、マスター! 全力でサポートいたします!』


 こうして、レンたちは、これまでとは全く異なる次元の戦い――「強化そのものを巡る攻防」へと、足を踏み入れていくこととなった。


(第10話へ続く)


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