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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第3巻 国家戦争編

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第8話「孤独な英雄」

 王都防衛戦の勝利から数日、レンの名前は、もはや大陸中に知れ渡っていた。


「零崎レン様に、謁見を求める使者が、また各地から届いております」


 基地に届く書状の山を前に、レンはため息をついた。


「正直、こういうの、苦手なんだよな……」


「贅沢な悩みね」


 レティシアが、書状の一つを手に取りながら笑った。


「みんな、あんたに感謝してるのよ。素直に受け取っておきなさいよ」


「分かってるけど……なんか、実感が湧かないんだ。俺は、後ろで震えながら指示を出してるだけなのに」


「それでも、あんたの判断が、何百人、何千人もの命を救ったのは事実でしょ」


 その言葉に、レンは言葉を詰まらせた。


 その夜、レンは一人、基地の裏手で夜空を見上げていた。


(英雄、か……)


 誰もが自分を称賛する。だが、その称賛が大きくなるほど、レンの中には、埋めがたい孤独が広がっていくような感覚があった。


(本当の俺を、誰も見てない気がする)


 そんな時、ふとガイウスが隣に腰を下ろした。


「何、辛気臭い顔してんだよ」


「ガイウス……」


「お前、周りからどう見られようと、俺やレティシア、ヴェルミナは、ちゃんとお前自身を見てるぞ。“後ろで震えてる、不器用な奴”ってな」


 その言葉に、レンは思わず笑ってしまった。


「それ、褒めてる?」


「もちろん褒めてるさ。震えながらも、逃げずに立ち続けてる。それが、お前の本当の強さだろ」


 レンは、しばらく黙って夜空を見上げた後、静かに呟いた。


「ありがとう、ガイウス」


 そんな折、ヴェルミナが緊急の報告を携えて姿を現した。


「零崎殿、重要な情報が入りました」


「何かありましたか」


「ザガレス皇帝が、王都攻略の失敗を受け、より根本的な戦略転換を図っているようです」


 ヴェルミナは、険しい表情で続けた。


「具体的には――大陸全土の統一を諦め、代わりに、貴殿の力そのものを封じるための、特殊な対抗手段を開発しているとの情報があります」


「俺の力を、封じる……?」


「詳細は不明ですが、古代文明の遺物を利用した、強化無効化の技術だという噂もあります」


 レンは、背筋に緊張が走るのを感じた。


(俺の力が、通用しなくなる……そんなことが)


「もし、その情報が事実なら、これまでの戦い方が、根本から通用しなくなる可能性があります」


 ヴェルミナの言葉に、指揮所全体に緊張が走った。


「対策を、急ぐ必要がありますね」


「はい。ドルシス殿にも、至急連絡を取っております」


 こうして、レンたちは新たな脅威――強化そのものを無効化する対抗手段への対策に、追われることとなった。


 だが、この情報こそが、後にレンとドルシスの間に潜む、大きな秘密へと繋がっていくことになるとは、まだ誰も知る由もなかった。


(第9話へ続く)


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