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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第3巻 国家戦争編

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第6話「後方の英雄」

 鬼灯の裏切りが発覚した翌日、防衛計画は全面的に見直され、東部戦線の布陣は一新された。


「情報漏洩の可能性がある以上、あえて“予測されにくい”配置を心がけましょう」


 ヴェルミナが、新たな戦術案を提示する。


「ザガレス皇帝本隊の動きを、あえて誘い込むような布陣にすれば、逆に包囲するチャンスも生まれます」


「危険な賭けだが……やる価値はありそうだ」


 ガイウスが、地図を睨みながら頷いた。


 翌未明、ザガレス皇帝率いる本隊が、予想通りに新たな布陣の隙を突くように進軍を開始した。


「予定通り、罠にかかりました」


 ヴェルミナの声に、レンは緊張しながら頷いた。


「戦車隊、包囲網を発動!」


 号令と共に、周到に配置されていた戦車隊が、一斉に本隊の側面から姿を現す。


「な、なんだと……!」


 ザガレス皇帝本隊の兵士たちの間に、初めて明確な動揺が走った。


「上空より、飛行艦隊、支援攻撃!」


 空を埋め尽くすように展開した飛行艦隊が、包囲された本隊へと精密な攻撃を叩き込んでいく。


 これまで一切の乱れを見せなかった敵本隊が、初めて統率に綻びを見せ始めた。


「押し返せ! 今が好機だ!」


 ガイウスをはじめとする歩兵部隊が、勢いに乗って前進していく。


 半日にわたる激戦の末、ザガレス皇帝率いる本隊は、ついに撤退を余儀なくされた。


「て、撤退……本当に、あのザガレス皇帝の本隊が……!」


 伝令兵の興奮した声が、指揮所に響き渡る。


「やった、のか……!」


 レンは、モニター越しに広がる戦場を見つめながら、安堵の息を漏らした。


 この勝利の報は、瞬く間に大陸中へと広まっていった。


「あの零崎レンという男、ついにはザガレス皇帝の本隊まで打ち破ったらしいぞ」

「まさに、大陸を救う英雄だ」

「彼こそが、真の“最強勇者”に違いない」


 各地から届く称賛の声に、レンは複雑な想いを抱えていた。


「なあ、レン。お前、また“最強勇者”呼ばわりされてるぞ」


 ガイウスが、苦笑しながら声をかける。


「俺は、本当に何もしてないんだけどな……後ろで、震えながら指示を出してただけで」


「はは、それでも結果を出してるんだから、世間はそう見るしかねえだろ」


 少し離れた場所で、レティシアがその様子を見つめながら、静かに呟いた。


「レン……あんたが英雄視されればされるほど、あんたの本当の姿は、誰にも見えなくなっていくのね」


 その言葉には、以前のような焦りではなく、静かな気遣いが滲んでいた。


 だが、この栄光の裏側で、新たな影が忍び寄りつつあった。


「零崎殿、緊急の報告です」


 伝令兵が、慌てた様子で駆け込んでくる。


「ザガレス皇帝、本隊での敗北を受け、別動隊を率いて、王都グレアムへの直接攻勢を計画しているとの情報が入りました」


「なっ……王都を、直接?」


「おそらく、我々の戦力が分散している隙を突くつもりでしょう」


 ヴェルミナが、険しい表情で地図を睨みつけた。


「この戦争、まだ終わりには程遠いようです」


 レンは、拳を握りしめながら、次なる戦いへの覚悟を新たにした。


(第7話へ続く)


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