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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第3巻 国家戦争編

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第2話「軍師の采配」

「まず、現状の戦力配置を把握する必要があります」


 ヴェルミナが、南部戦線の地図を広げながら、淡々と分析を始めた。


「敵軍は、既に三つの防衛拠点を陥落させ、この地点まで進軍しています。このままでは、三日と持たずに後方の補給拠点まで突破されるでしょう」


「三日……」


 レンは、地図上に描かれた敵軍の進軍ルートを見つめた。


「零崎殿の戦力を、どこに投入するかが鍵となります」


 ヴェルミナは、地図の一点を指し示した。


「この隘路――敵軍が必ず通過する地形です。ここに戦車隊を配置し、防衛線を構築するのが最も効率的かと」


「なるほど……」


「加えて、飛行艦隊をこちらの後方拠点に待機させ、隘路を突破しようとする敵の側面を、上空から叩く形にすれば、包囲殲滅も可能になります」


 ガイウスが、感心したように頷いた。


「さすが、元敵軍の参謀ってだけあるな」


「効率を追求した結果です。それ以上でも、それ以下でもありません」


 ヴェルミナの淡々とした返答に、レティシアがくすりと笑う。


「レン、あんたはどう思う?」


「……理にかなってると思う。ただ」


 レンは、少し考えた後、付け加えた。


「戦車隊の装甲は、既に相当な強度まで強化してある。でも、飛行艦隊はまだ実戦経験がない分、想定外の事態に対応できるか、不安が残る」


「その点については、私も懸念しています」


 ヴェルミナが頷く。


「ですが、時間的猶予がない以上、多少のリスクは許容せざるを得ません」


「分かりました。飛行艦隊の運用は、俺が直接、リアルタイムで補助します」


 こうして、レンたちの作戦が決定した。


 翌日、隘路に配置された戦車隊が、進軍してくる敵軍主力と激突した。


「敵軍、隘路に進入! 数、およそ五千!」


「戦車隊、迎撃開始!」


 轟音と共に、レンが強化した戦車の主砲が、次々と敵軍を薙ぎ払っていく。だが、それでも数に勝る敵軍は、犠牲を厭わず前進を続けていた。


「まだ止まらないか……」


 レンは、指揮所のモニターを睨みながら、拳を握りしめた。


「零崎殿、今です。飛行艦隊を側面に展開してください」


 ヴェルミナの指示に、レンは頷いた。


「ゼロ号、飛行艦隊、展開開始」


『了解であります、マスター!』


 上空から現れた飛行艦隊が、敵軍の側面へと回り込み、一斉に攻撃を開始する。


 完全に包囲された敵軍は、瞬く間に統率を失い、崩壊していった。


「て、敵軍、総崩れです! 我が軍の圧勝であります!」


 伝令兵の声に、指揮所全体から歓声が沸き起こる。


「……勝った、のか」


 レンは、モニター越しに広がる戦場を見つめながら、深く息を吐いた。


「零崎殿の力と、的確な用兵があってこその勝利です」


 ヴェルミナが、静かにレンへと視線を向けた。


「これで、南部戦線の危機は、当面回避されたと言えるでしょう」


「ありがとうございます、ヴェルミナさん。あなたの采配がなければ、こんなにスムーズには……」


「礼には及びません。私は、最も効率的な選択をしたに過ぎませんから」


 そう言いつつも、ヴェルミナの口元には、僅かながら柔らかな笑みが浮かんでいた。


 だが、この勝利は、まだ長い戦争の、ほんの始まりに過ぎなかった。


 北方と東部の戦線からも、次々と厳しい戦況の報告が届き始めていた。


「零崎殿、次は北方戦線への支援要請が届いています」


 伝令兵の言葉に、レンは気を引き締め直した。


(休んでいる暇はない……)


 この先、レンたちの戦いは、大陸全土を巻き込む、より大規模なものへと発展していくことになる。


(第3話へ続く)


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