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強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第3巻 国家戦争編

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第1話「連合軍侵攻」

 大陸各地からの緊急報告が、次々と基地の作戦室に届いていた。


「北方国境、敵軍の侵攻を確認! 数、およそ一万!」

「東部国境からも、同時に侵攻の報告があります!」

「南部の同盟国からは、既に前線が突破されたとの一報が……!」


 伝令兵たちの声が飛び交う中、司令官は険しい表情で地図を睨みつけていた。


「複数方面からの同時侵攻……想定以上に、周到な計画だ」


「ドラケイン帝国を中心に、少なくとも三カ国以上の連合軍が動いているものと推測されます」


 参謀の一人が、地図上に敵軍の配置を書き込んでいく。


「零崎レン、お前の力が必要になる」


 司令官の言葉に、レンは静かに頷いた。


「はい。ですが……三方面同時となると、俺一人で全てをカバーするのは」


「分かっている。故に、優先順位をつける必要がある」


 司令官は地図の一点を指し示した。


「最も危険なのは、南部だ。既に前線が突破されている以上、これ以上の被害拡大を防ぐには、迅速な支援が不可欠となる」


「南部……分かりました」


「北方と東部は、正規の防衛部隊で当面持ちこたえさせる。零崎、お前は南部方面へ向かい、そちらの戦況を立て直せ」


 レンは、これまで強化してきた戦力の総力を思い浮かべた。


(今こそ、飛行艦隊の出番か……)


 完成したばかりの飛行艦隊――複数の戦闘機を統括する母艦を中心とした部隊は、まだ実戦経験を積んでいない。だが、この危機的状況を前に、出し惜しみをしている余裕はなかった。


「ゼロ号、飛行艦隊の準備は?」


『いつでも出撃可能であります、マスター!』


「よし……南部方面へ向かう」


 こうして、レンを中心とした遠征部隊は、南部戦線へと急行することとなった。


 道中、レンはガイウス、レティシア、そしてヴェルミナと呼ばれる新たな協力者と共に、作戦の詳細を詰めていた。


「初めまして、零崎レン殿。ヴェルミナ・ロークハルトと申します」


 銀髪に眼鏡をかけた女性が、静かに自己紹介をする。


「あなたは……確か、南部戦線の軍事顧問として派遣された?」


「はい。もっとも、元は敵対していたドラケイン帝国軍の参謀を務めておりました」


「え……」


 レンが驚くと、ヴェルミナは淡々と続けた。


「ある戦闘で捕虜となった際、貴殿の強化理論に関する報告書を目にする機会がありました。理解に基づいて性能の上限を突破する、という発想には、学者として強い興味を惹かれました」


「それで、こちら側に?」


「はい。合理的に考えれば、貴殿の陣営についた方が、より大きな成果を得られると判断しました」


 ヴェルミナの淡々とした物言いに、ガイウスが苦笑した。


「なんつうか、随分とドライな理由だな」


「効率を重んじることの、何が問題でしょうか」


 その返しに、レティシアも思わず笑ってしまった。


「なんか、面白い人ね。よろしく、ヴェルミナ」


「こちらこそ、よろしくお願いします」


 こうして、新たな協力者を加えた遠征部隊は、南部戦線へと到着した。


 目の前に広がる光景は、想像以上に凄惨なものだった。既に多くの防衛拠点が陥落し、敵軍の勢いは留まるところを知らない。


「……間に合うか、これは」


 レンは、拳を握りしめながら、戦場を見据えた。


「零崎殿、指揮を執っていただけますか」


 現地の指揮官が、レンに問いかける。


「はい……皆さんの力を、俺の全力で支えます」


 この瞬間から、レンは南部戦線における、事実上の総指揮を任されることとなった。


 まだ誰も知らない。この戦いこそが、レンを「大陸最強の後方支援者」として、決定的に世に知らしめる、最初の大舞台になることを。


(第2話へ続く)


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