表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
強化倍率∞(インフィニティ)~武器しか強くならない俺が、気づけば○○していた~  作者: 伝説の男前
第2巻 軍事転用編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/95

第9話「正体不明の強者」

 国境戦の勝利から数日、レンたちの部隊は、グレアム小国の王都へと招かれていた。


「此度の救援、誠にありがとうございました」


 グレアム小国の国王が、深々と頭を下げる。玉座の間には、居並ぶ廷臣たちの視線が、遠征部隊の指揮官へと注がれていた。


「此度の勝利、まさに天佑と言うべきものでしょう。あの戦車隊、飛行部隊……いったい、どなたの指揮によるものか」


 国王の問いに、指揮官が視線を後方へと向ける。だが、レンはその場から一歩後ろに下がり、目立たないように佇んでいた。


(俺の名前が出るのは……できれば避けたい)


 複雑な感情から、レンは無意識に自分の存在を隠そうとしていた。だが、そんなレンの様子に気づいたガイウスが、代わりに口を開いた。


「陛下、あの戦力を生み出したのは、こちらにおります零崎レン殿です」


「なっ……ガイウス!」


 レンが慌てて制止しようとするが、既に遅かった。


「零崎レン殿……? これは、これは」


 国王をはじめ、廷臣たちの視線が一斉にレンへと注がれる。


「其方が、あの規格外の戦力を生み出した御仁か。まさに、大陸の救世主とも呼ぶべき御方だ」


「い、いえ、俺は、その……」


 レンは慌てて否定しようとするが、うまく言葉が続かない。


「零崎殿、貴殿の名声は既に近隣諸国にも広まりつつあります。何しろ、たった一日でドラケイン帝国軍を退けたのですから」


「あの、それは……俺一人の力では、決して」


「謙虚な御方だ。だからこそ、真に信頼できる」


 国王は満足げに頷き、廷臣たちも口々に賞賛の言葉を口にする。


「まさに、伝説の勇者の再来だ」

「この方がいれば、大陸に平和が訪れるやもしれん」


 その様子を、少し離れた場所からレティシアが複雑な表情で見つめていた。


(レン……あんたが望んでたのは、こんな注目のされ方じゃ、なかったはずなのに)


 王都からの帰路、レンは馬車の中で深いため息をついた。


「なあ、レン。そんなに気に病むことないだろ」


 ガイウスが、努めて明るく声をかける。


「俺は……別に、勇者になりたいわけじゃないんだ。ただ、目の前で困ってる人を、助けたかっただけで」


「分かってるさ。だが世間はそう見ちゃくれねえ。お前の力は、それだけ規格外だったってことだよ」


 レンは、窓の外を流れる景色を見つめながら、静かに呟いた。


「これから、もっと大きな戦いに巻き込まれていくんだろうか……」


 その予感は、すぐに現実のものとなる。


 グレアム小国での一件は、瞬く間に周辺諸国へと広まり、レンの名は「正体不明の強者」として、大陸中に知れ渡ることとなった。


 そしてそれは同時に――ドラケイン帝国、そしてその背後で糸を引く、より大きな勢力の目を、レンへと引き寄せる結果にもなっていた。


 基地へと戻ったレンを待っていたのは、司令官からの、思いがけない知らせだった。


「零崎レン。お前に、新たな任務を言い渡す」


「任務、ですか」


「ドラケイン帝国が、本格的な報復体制を整えつつあるとの情報が入った。奴らは、今度こそ本腰を入れて、この地域一帯を制圧しにくるだろう」


 司令官は、地図の上に広がる大陸全土を指し示した。


「これは、もはや一国の争いでは済まされない。大陸全土を巻き込む、本格的な戦争の始まりだ」


 レンは、静かに拳を握りしめた。


(これが……本当の戦争の始まりか)


 この瞬間から、レンの物語は、単なる一小国の防衛戦を超え、大陸全土を巻き込む「国家戦争編」へと突入していくことになる。


(第10話へ続く)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ