恭子と玲子 vol.080 季節も夏の終わり。
「…いいかも…。…で、ないと…、前には…。」
玲子。
「…でっしょう~。」
恭子。
「…で…、どう…???慣れてきた…恭子ちゃんと一緒じゃないときのバイト…???」
玲子と一緒の時に度々立ち寄るカフェテラスで浩二。
「うん、少しずつね…。でも…まさか…、私と恭子がいない日にお客様の入りが…少ないなんて…、全く想像付かなかった。」
玲子。
「ん~。やっぱり…あるんだろうね~、お店のスタッフがとっても愛想が良くって、好きになるお客さんって…。」
「うん。」
既に季節も夏の終わり。9月の始まり。
「恭子~~今日、行くよ~、予定OKね~。玲子の方は~???」
智香子。
「あ~~、今日…玲子はどうだろ…???今頃…???」
恭子。
「あっ、そっか~、彼か…。…んじゃ、和んとこ、行くって事だけ連絡しといて。もしかして…、彼と一緒に来るかも知れない。」
「はい。」
既に和風割烹せいざんには、その人懐っこさもあるのか、
智香子を筆頭に恭子に玲子、それに明彦に浩二、しかも隼人や里奈も、
この2ヶ月余り、頻繁に通うようになっていた。
それと同時に、特に恭子と玲子の場合は、レストラン経営のノウハウを和人に教わり、
料理の味までも堪能する事になったのだ。
逆に言えば、料理の味を堪能するのは、和人の方が有無を言わさずに和洋折衷で、
むしろ命令するが如くの提供でもあるのだった。
しかも、恭子がひとりのときも、玲子だけの時も同様に、
「恭子、ほらこれ…食べて見な。」
「玲子、今度はこっちの味だ。」
常に笑顔で、自分の妹のように接していた。
それを傍で見ている智香子も、共に見守りながら…。
そんな折り、智香子と和人がある広告を目にする。
ふたり同時に…、
「これって…。いいかも。」
そして、遂に、恭子の方が、和人をいつの間にか…、
「和兄ぃ、すご、すご、この味。良い良い。」
「良し、その味、分かってきたか…。」
和人。
「うん、うんうんうん。」
和人ではなく、「和兄ぃ。」と、呼ぶようになったのだった。




