恭子と玲子 vol.070 「夫婦喧嘩にまで発展。」
「3回目にして…、初めて、アンチーフなしで…か…。」
恭子。
「何だか…緊張するね。」
玲子。
「う…うん。」
店の玄関を開けて中へ。
「こんばんは~恭子で~す。」
「玲子で~す。」
「おっ、お帰り。」
和人。
「お帰りなさい。」
夏輝。
「あっ、ははは…。た…だ…いま…で…、良いのかな…???」
照れながらの恭子。そして玲子も、「へへ…。」と、ペロリと舌を出して。
和人、
「全然平気。だって、バイト帰りでしょ。はい、座って、座って。」
「あっ、いえ。今日は…、その…忘れ物を…その…何だ…受け取りに…。」
その恭子の話の途中から夏輝がカウンターの外に。
「はい、恭子さん。忘れ物。」
手のひらにキリンのキーホルダーを乗せて…。
「さっき智香さんから電話があって、忘れ物、取りに行くからよろしくって。」
「わ~良かった~。そうだったんですか。ありがとうございます。」
「ふたり共~お腹、空いてるだろう~ん~???」
和人。
「あっ、いいえ、青山さん。私達、このキーホルダー、取りに来ただけで…、そんな…。」
恭子。
「ねぇ玲子。」
玲子、
「うん、うん。」
そんな恭子と玲子の声に関係なく、ふたりの前にはしっかりとお茶とお通しが運ばれる。
夏輝、
「どうぞ。」
「あっ、もん…さん…、いや…夏輝さん。」
恭子。
「ゆっくり、して行ってください。…でないと、和さんと私が、智香さんから叱られますから。」
「…と、言う訳だ。…つまりは、後でふたりの姉貴分からチェックが入る。…と、言う訳だ。」
「はい???チェック???」
恭子、玲子、ほぼ同時に…。
「うん。つまりは、ここでふたりが飯を食って行かないと、兄貴分の私が姉貴分から叱られ、夫婦喧嘩にまで発展。…と、言う事に…。」
「うそ…。」
恭子。
「うそ。」
和人。
「あれ…。」
「いや…、そうならないまでも…折角、俺にも可愛い妹がふたりも出来た気分なんだ。妹思い…させて。」




