恭子と玲子 vol.068 「お前から彼女に…渡してくれ。な。」
けれども…、そればかりではなかった。
その外国人の恋人同士も、すっかり恭子と玲子を気に入り、
恭子と玲子にずっと付きっ切りだったのである。
もちろん背の低い恭子の場合は、
それぞれの動物の場所で必ず肩車して動物を見せてくれたのだった。
そして最後にこの外国人との別れの時に、恭子にプレゼントしたのが、
背が高くなるようにとキリンのキーホルダーを買ってくれたのだった。
生まれて初めての外国人。そのせいかは分からないが、
今では恭子も玲子と殆ど変らない身長になっている。
「忘れられないよね…。あの時の事は…。はは…。」
玲子。
「うん。絶対に…忘れられない。」
「あの外人と別れた後、もう恭子、泣きっ放しだったから…。」
「へへ…。…もう一度…、逢いたいなぁ~あの外人…。」
「おいおい…、そりゃ…無理だわ…。」
布団の上で頬杖をしながら、隣の部屋のテーブルの上にある、
キリンのキーホルダーを見て夏輝、和人の声を思い出していた。
「多分、恭子ちゃんのだと思うけど…。そうだとしても、もん、お前から彼女に…渡してくれ。な。」
「あ…、あ…、はい。」
…そして両手を組んで枕と頭の間に…、
「恭子ちゃん…のか…。倉科…って…たっけ…彼女…。…で…、もう一人が…、大塚…玲子…。か…。」
「や~~っぱり、アッキー。」
玲子。
「ははは…、そうそう怒るな。俺たちだって、びっくりしたんだから…。」
明彦。講義の後、ラウンジで。
「正に…里奈さん…。いや…サークルの副部長だけど…。里奈さん…一発のお薦めだったんだ。なぁ浩二~。」
「うん。資料見る前に、せいざんの名前…口にしてたから…。」
「へぇ~、そう…だったんだ。」
玲子。
「…で…、あの…安藤さん…って、言うのが…玲子と恭子を…可愛がってくれてる…人…か…。」
明彦。
「うん。…で…、あの人の婚約者が板さんの青山さん。」
恭子。




