恭子と玲子 vol.026 「…さてっと~帰って、ご飯、ご飯。」
「何、玲子…、まさか…泣いてるんじゃないでしょうね~~。」
「……、だって…。」
少し、目を潤ませながら玲子。
「だ~いじょうぶ。頑張んなさい。玲子…、早瀬さん、好きなんでしょ。タイプなんでしょ。」
「…うん。」
「ほらほら…、早く~、もう電話…切るね。」
と、プツリ。
「もう~恭子~。」
少し目を潤ませて、鼻水を啜って、そして鏡を見て、気持ちを落ち着かせる玲子。
「ふふ…、玲子…、良かったね~。…さてっと~帰って、ご飯、ご飯。」
真っ暗な部屋の中に…、
「ただいま~~。お帰り~~ってね…。」
「じゃ…、今夜は…ありがとう…。」
レストランから出て玲子。
「うん、俺の方こそ…、楽しかったよ。」
浩二。
「…あの…、また…連絡して…良い…???」
「…ん…???あぁ~良いよ、大歓迎~。」
「…ん…、ありがと。…じゃ…、おやすみ…な…。」
「えっ…、玲子ちゃん…。あっ…そっか…。」
てっきりお互い別々の方向に体が…、と…思っていた。が…。玲子、
「へっ…???何か…???」
浩二が、
「おやすみなんて言うから…。てっきり…。くく…。」
「えっ…???…って…???」
「いやはや…。帰り…、同じ方向だ…。」
「えっ…、あっ…、じゃあ~~ははは…。」
「うん。駅まで…送るよ。」
「はは…、ありがと。」
夜の東京。季節は春、もう4月も終わろうとしている。
「ただいま~~、恭子~起きてる~???」
「あ~お帰り~。う~ん、起きてるよ~。」
テーブルの上で書籍を広げながら、ノートに書き写している恭子。
キッチンからリビングへ。そんな恭子を見て玲子。
「恭子~~。」
玲子の顔は見ずに書籍に、そしてノートに、そしてペンを動かしながら、
「う~ん。」
そんな恭子の声がした途端に小走りに恭子の背中に回り込み、
恭子の体を「ギュッ!!!」
「わっ!!びっくりした~~!!!」




