恭子と玲子 vol.025 「玲子。楽しそ。」
「…ん…、大丈夫、ちょっと…ごめんなさいね。」
慌ててお手洗いに向かう玲子。
そしてバッグの中からスマホを取り出して…、数回のコールで恭子が電話に出る。
「…ん…、玲子~???」
「あっ…恭子~~。」
数時間前…、お昼休みのベンチで…、
「お願い~い~。もしかしたら…私…バックンバックンで、会話にならないと思う。だから~~。」
恭子の顔の前で、何度も両手を合わせる玲子。
「んもう~~しょうがないなぁ~~。どうやって、ふたりの中に入れっていうのよ…。やれやれ…。」
ふくれっ面の顔に、唇を尖らせて恭子。
「てへへへへ~サ~ンキュ~。」
「まったく…ピエロだよ…。」
そして夜。恭子も上がりの時間となり、
「アンチーフ~、私も上がりま~す。お疲れ様でした~。」
「う~ん。玲子ちゃん…今頃…、ふふ。」
「上手く行っていれば…良いんですけど…。」
「明日の玲子ちゃんの顔…、楽しみだね~。ん~。」
「ふふ…、そうですね。じゃ…お疲れ様でした~~。」
バイト先から外へ。
歩いている内に、玲子と浩二が、いるであろうレストランに近づく。すると…。
右側から見える窓側の席の玲子と浩二。
全く外には顔も向けずに、にこやかにお互いに会話を楽しんでいる。
「な~んだ、全然大丈夫じゃないの~玲子。楽しそ。」
ふたりの楽しそうな景色を右に観ながらも、
「頑張れ、玲子~~。」
そのままバッグを両手でお腹の前に持ちながら、
右脚と左脚を真っ直ぐに伸ばして歩きながら、
「ふふ…、か~えろっと~。」
そして電車を降りて、アパートに向かう途中で…、
「…ん…???玲子…???」
「恭子~今…どこ~~。あ~ん。」
「どしたの、玲子…へっ…???」
「ごめん。恭子…、すっかり忘れてた。ごめん。」
「…ん…???はは…、良いよ、良いよ、玲子…彼と…楽しそうだったから、真っ直ぐ来ちゃった。もう…アパート着くよ。」
「恭~子~~~。」




