恭子と玲子 vol.024 「玲子ちゃん…、可愛いんだ。」
「あっ…、いいえ…緊張なんて…。」
火照った顔の前で、右手をひらひらさせて、無理に笑顔を作る玲子。
「だ~いじょうぶだよ。俺だって、女性と、こんな風に、食事するの…初めてだから…。…はは…、玲子ちゃん…、可愛いんだ。」
その、「可愛い」の一言で、今までの緊張感が一気に解れる玲子。
「あ…、ありがとう…。じゃ…、メニュー、決めよっか…。」
「うん。…まぁ…その前に…。」
口の前で手をクイっとさせて浩二。
「折角のレストランだ…。玲子ちゃんは大丈夫…、お酒…???」
「…ん…???じゃあ~、私少しだけ…、うん。」
その5分後…、
「お待たせしました~どうぞ~。」
ウェイトレスが玲子と浩二、それぞれの目の前にビールをワングラスずつ。
「それでは…お近づきに…。」
浩二。
「ありがとう、ございます。」
お互いにグラスを合わせ、喉を潤す。
「ん~~、いいねぇ。」
「ほ~んと、美味しい~。」
そして、その数分後には、お互いの目の前に、オーダーしたメニューが…。
「うわっ…、美味しそう~~。」
玲子。
「だ~ね~、うん。さすがに…居酒屋とは…別モンだね…。」
その浩二の声を聞いた瞬間に、自然に笑顔になり、右手を口元に玲子。
「ふふ…、当たり前じゃない…、早瀬さん…、面白~い。」
「え~~、俺…、何か…面白い事…言ったかな~~???」
「いえいえ、大丈夫…。じゃ…食べましょうか。」
「よし。では…、戴きます。」
ゆっくりとではあるが、心地よい感じで玲子と浩二の会話も進み、
メニューも殆ど食べ尽くした時。玲子が、ある事に気付いた。
「あっ!!!」
急いで腕時計を見ると、既に21時30分を少し回っていた。
「どしたの…???」
一気に顔の表情を変える玲子。頭の中で、
「やっぱ~~恭子…。」
慌てて、
「ち…ちょっと…ごめんなさい早瀬さん。」
「…ん…???…あぁ…。どうし…。」




