恭子と玲子 vol.023 「私は…、もう一踏ん張り。」
上がりの時刻になり、恭子に、「ニッ。」と、
笑顔で、Vサインまでしての玲子。
「アンチーフ~、お疲れ様でした~私…お先に、上がりま~す。」
「は~い、お疲れ様~うん。」
にっこりと玲子に応える智香子。
「さて…、私は…、もう一踏ん張り。」
そう言いながら、テーブルの上を片付ける恭子。
歩道からも窓際の席が見えて、夜のお店の賑わっている様子が窺えるレストラン。
玄関から入って、お店の中を見渡して…、
「まだ…来て…ない…か…。んじゃ…。」
と、言いながら、歩道沿いの窓際の席に座って玲子。
椅子に落ち着いたと思ったその時に、ふと窓の外に目をやれば…、
「あ~~来た来た。」
と、小さな声で玲子。
そして見覚えのある後ろ姿。その時点で、少し、胸が高鳴る玲子。
店に入ってきて、コチラも店の中を見渡して、窓際の席を見ると、
玲子を発見。右肩まで手を上げて手の平をひらひらさせる玲子。
小さくお辞儀をして…。
そしてコチラも小さくお辞儀をして、右手で挨拶をする浩二。
テーブルに着いて、
「ごめん、ごめん、待たせ…ちゃったかな…???」
「いえいえ…、私も…今…、来たばっかり…。」
「そっか…、良かった。待たせたと思っちゃったよ。」
「ちょうど…、良かったみたいね…、ふたりとも…。」
「そうだね。…さて…、何にする…???久し振りだよ、レストランなんて…。」
「えっ…???」
「…ん…???いや…、あっ、ほら…、女性と一緒に、食事するなんてこと…、まずないから…、大概は友達と居酒屋だからね~。」
「…あっ…、そっか…、うん。そっか、そっか…。」
「…ん…???玲…子…さん…???どうかした…???ちょっと…顔…赤いけど…。」
昨日のあの、大学の図書室での事とは場が異なり、
浩二と面と向かって顔を見合わせているだけで、
顔が火照って、中々言葉が出て来ない玲子だった。
「あ…、いや…。大…丈…夫…。」
「もしかして…、緊張してる…???」




