恭子と玲子 vol.022 「初デートに…。」
「えっ…!!!なんで…玲子の初デートに…、私も…???」
口を開けてフレンチドックを、もう一口食べようとした恭子の口がポカ~ンと…。
「だってさ~~。」
その途端に、恭子の右手からウィンナーパンがグラリと…。
「わわ…、お~っとっとっと…。危ない、危ない…。」
「ごめん、恭子…、最初の…一回だけ。お願いっ。」
片眼でウィンクして、その前で両手を合わせて…玲子。
「うそでしょ。デートに友達が同伴するなんて…話、聞いた事ない。」
「恭子ちゃ~ん、かっわいい~~。」
「あのね~~。」
「ありがとうございました~またどうぞ~~。」
会計を済ませて出口に向かう客に、めい一杯の笑顔を振りまいての玲子。
それを見ていたチーフの安藤智香子。傍にいる恭子に…、
「ねね、恭子ちゃん。」
「えっ…。あっ、はい。どうしましたアンチーフ…???」
「どしたの…玲子ちゃん…???何か…良い事…あったの…???凄い笑顔…。」
そう言う安藤智香子に恭子…、
「あっ…、あ~~、ふふふ…。」
「えっ…、何々…何~???」
「実は…アンチーフ…。あのね…。」
玲子には見えないように、こっそりと智香子の左耳に…。
「えっえっ…、え~~うそ~~ほんと…。こりゃこりゃ、そういうことか…。…んじゃ…、ああなるわ。ふふ…。」
「…と、言う訳で…。」
そして…、この先、この安藤智香子が、恭子と玲子には、深い関わりとなってくる。
だが…、まだこの時点ではそんな事など、
恭子と玲子は…もちろん安藤智香子当人すら、知る由はない。
都内に数店舗のファミリーレストラン「SAVEUR-サヴール」
恭子と玲子のバイト先でもあるここのスタッフは15名。
その中でも面倒見が良く笑顔も良く、他のスタッフからも、苗字の安藤から、
「アンチーフ」と呼ばれ、慕われている。
「初デートか、玲子ちゃん。ふふ…。」
智香子。




