恭子と玲子 vol.139 「全く素晴らしい限りです。」
浩二は黙って恭子の実技を見つめている。
浩二の前にいる絵梨奈、そして翔、保。
「ねぇねぇ、翔…、恭子ちゃん…。」
絵梨奈。
「うん。これって…。」
翔。
保は思わず腕を組んで、何度も顔を頷かせる。
そして担当係り員、
「ありがとうございました。」
その途端、そのチーム全員からの拍手喝采。
担当係り員、
「全く素晴らしい限りです。何か…経験でも…???」
恭子、
「いえいえ…、そんな…経験なんて…。」
顔を真っ赤にさせながらの恭子。
「ただ…、今…友達とふたりで、ファミレスのバイトをしてまして…。」
「そうでしたか~~。素敵なファミレスなんでしょう。かなり繁盛しているかと…。あっ、いや…、これは失礼しました。」
恭子、
「失礼しました。」
「さて…、次は35番の…。」
するすると浩二の隣に戻る恭子、ペロリと舌を出して。
恭子の肩を叩いて絵梨奈、
「凄~い、恭子ちゃん。まるでプロじゃ~ん。あそこまで…私…。いや~、何年掛かるやら…。」
「うん、俺もそう思った。いやはや…天晴れ。」
翔。
左手で恭子の頭を撫でながら浩二。
「やるな~さすがだ。うん。」
浩二の左肩にチョコンと頭を付けて、
「へっへ~~。」
コチラは大学の講義の最中。
「まっさかね~、アッキーがあんな可愛い人…とね~。」
玲子。
「なんだよ…。いいじゃねぇか…。」
と、口を尖らせて明彦。
「と…、言っても、直接俺が彼女に…じゃ…ないんだけど…。」
「…で、しょうね~~。コウちゃん…でっしょ。」
「…ん…、あぁ…。俺だって、いきなりだったから…びっくりした…。」
「…ん…???」
2週間前…、サークルの前の廊下を歩きながら浩二。
「…ったく~、無理に決まってんだろ、隼人さんと言う人がいるってぇのに…。なんで里奈さんなんだよ。」
「仕方ねぇだろ…、好きになっちまったもんは~。」
「やれやれ…。里奈さんにこの事言ったら、吹き出されんぞ。」
「絶対言うなよな。」
「わ~った、わ~った。」




