恭子と玲子 vol.137 「コウちゃんしか…、いないんだもん。」
自分の胸に抱き付いている恭子の頭を優しく撫でながら浩二、
「そっか、そっか…。恭子。」
「今の私に…、ぐすっ、コウちゃんしか…、いないんだもん。玲子…いないんだもん。」
「分かった、分かった。恭子。うんうん。分かった。」
そう言いながら、恭子の肩を抱く浩二。
そして自分の胸から恭子の顔を放して、目を真っ赤にして、
ほっぺたをグショグショにしている恭子のほっぺたを両手で拭いながら、
「恭子の泣きべそ~~。」
鼻水を垂らして、濡れた左目を左手で拭いながら恭子、笑いながら、
「へへ…。べぇ~~だ。」
そう言った途端に、また浩二に抱き付く恭子。
そんな恭子を今度は浩二もきつく抱き締める。
恭子、小さく…、
「こ…う…じ…。」
「…ん…???」
「わたし…。」
ゆっくりと恭子の顔を両手で包むように、
「きょ…う…こ…。」
再び瞳から涙を浮かべて、恭子の顔が浩二の顔に…、
ふたりの唇が重なる。
寝返りを打った途端に、
「ん~~、朝…???」
目を開けた瞬間、目の前にニッコリと笑顔の浩二の顔。
「コウ…ちゃん。」
「…ん…。おはよ。」
「うん。おはよ。……???……って…???えっ…!!!」
目の前には上半身裸の浩二。
「うそ――――――っ!!!」
いきな自分の身体に掛けてあるブランケットを捲って…。
「へっ…???」
その瞬間、スマホに着電。
「あっ、はいはい、どしたの…???」
「どうしたのじゃねぇだろ…、何度も電話してんのに…。遅刻するぞ。」
浩二の声。
「えっ、はっ…、うそ…、今何時…???」
「8時ちょっと前。」
「うそ―――――っ!!!完璧に…寝坊…。きゃあ――――――っ。なんで、起こしてくんない訳―――――っ。」
「…んな…こと…、言ったって…。女の子の部屋のドア…、ドンドン叩ける訳…。」
最後の方はぶつぶつと…。
「うそでしょ、うそでしょ、遅れる、遅れる。…ん…???あ~~~、びっくりした~~。夢か…。あ~ん、もう~やばいやばい。」
「あ~~???なんか言った~~???」
まだ切っていない電話に…、
「なんでもな~い。」




