恭子と玲子 vol.012 「バイト…の…帰り…、うん。」
どっちがぶつかったのか分からなかったが、
とにかく、丁寧に姿勢を正して浩二に謝る恭子。
「ごめんなさい。私の肩がぶつかってしまったみたい。」
「あっ、いや…。俺の方こそ…、ごめん…。大丈夫だった…。肩…痛くない…???」
浩二。
「はい、大丈夫です。ありがとうございます。」
「えっ…、どうしたの恭子…、ぶつかっちゃった…???ごめんなさいね~。」
隣で浩二の顔を見て、赤くなっている玲子。
さささと、玲子の後ろに身を引く恭子。
浩二の後ろでニッコリの明彦。
「あっ…あ…、あのときは…、どうも…。はい。玲子です。大塚…。ちょっと…恭子~。…んもう…。」
「あっ…、はは…。いえいえ、気にしない、気にしない。大塚…玲子…さん。うん。覚えてる。ありがと…。」
「い…、今…帰り…???」
控えめに玲子。
「あ…、あぁ…、田端と…居酒屋の帰り…、うん。」
「飲んでたんだ…。」
玲子の後ろで小さな声で恭子。
「そ…、そう…、私たちは…バイト…の…帰り…、うん。」
恥ずかしそうに…玲子。
「バイト…???」
今度は明彦と一緒に顔を見合わせて、浩二。
「へっ…???バイトって…、恭子とふたりで、バイトしてたんだ…???」
明彦。
「うん。…だって…、あんまり…親に心配掛けたくないし…。…って言うか…、元々、始めから、決めてたバイトだし…。ねっ、恭子。」
玲子の後ろで、頷く恭子。
「へぇ~~。そうだったんだぁ~。」
そう言いながら、浩二の左肩に右肩で、「ほら。」とでも言うように明彦。
浩二…、
「うん…、いや…、あの…。うん。じゃ…、気を付けて…、また…。」
照れながら玲子にそういう浩二。
その後ろで、手で顔を隠す明彦。
「う…、うん。私たちも、これ…早く持って帰らないと…。」
玲子。
「…あ、だよね。じゃ…また…。」
浩二。




