恭子と玲子 vol.113 「涙…出てくるわ。」
「え゛―――――っ!!!恭子が…有村…架純…。」
口を大きく開けて玲子。
「うそでしょ!!!」
「は~っはっはっはっ。こいつぁ~いいや…。はぁ~~、涙…出てくるわ。」
和人。
「…で、お客さん、もしかして、その有村…架純って、子も芸能人…???」
「えぇ…、今、めちゃくちゃ人気なんですけど…。」
「おいおい…和兄ぃ…。もしかして…、ふたりとも…知らないとか…???」
「うん…???…うん。…知らん。いや…、俺はほら…、ドラマ観ねぇし…。もん…、知ってるか…???」
「いや~~、僕も…、はい…、ちょっと…分からない。」
「…だよね~。もんちゃん…、森永悠希も知らなかったんだから…。」
「はは…、ごめん、玲子ちゃん。」
その時、そのふたりの客がまた、「ドキン!!!」
「あの…、すみません…けど…。佐藤健に似てるって…言われません…???」
夏輝の顔を見ていきなり女性。
今度は夏輝が目を真ん丸にして…、
「へっ!!!いえいえいえいえ…。全然…一度も…。」
そして、その女性。
「凄~い、ここ~。マスター、ご馳走様でした~。会計おねがいしま~す。」
「あっ、はいはい。ありがとうございました~、もん…。」
「あっ、はい。どうも…。」
そして会計の最中に、夏輝の顔を見つめながら、
そして振り返って玲子の顔も見ながら、そしてニコニコしながら、厨房に振り返って、
「また来ます。素敵、素敵、ここ~。儲かった~~。」
和人、玲子、夏輝揃って、
「ありがとうございました~~。」
玲子、
「和兄ぃ…、もんちゃん…。」
和人…、夏輝と玲子を見ながら…、
「何…だったんだ…今の…???…で…、おまえら…???」
そう言ったかと思ったら、いきなり俎板の布巾を右手から左手に、
「は~っはっはっはっ。そうか…、おまえらふたり…、芸能人に似てるかぁ。こいつぁ~いいや。ふぇ~へっへっへっ。」
夏輝、
「玲子ちゃん…。俺…???」
玲子、
「うんうん、確かに…似てる、佐藤健。最初っから、そう思った。」




