恭子と玲子 vol.098 「3人じゃ…広すぎるよ。」
「俺たちの妹の事だ、もん。」
和人。
「あ~~はい、はいはい。歓迎です。」
「可能なら、ふたりの幼馴染も大歓迎。出入り自由よ。」
「はい、なんか…楽しくなりそうですね。」
「うん~、た~のしまなきゃ。大体…、この家自体、3人じゃ…広すぎるよ。」
「はは…、確かに…その通りだ。」
和人。
そして、その智香子の宣言通りに、一ヶ月も過ぎない内に、
青山家は賑やかな環境へと変っていくのだった。
そして玲子は相変わらず浩二と、
そして恭子も同じように夏輝と付き合い、それぞれを楽しんでいた。
けれども…お互いがお互いに、それぞれが、それぞれに…、
たったふたつの言葉は言えずのまま…。
それでも玲子は浩二に思いを寄せて…、
そして恭子も夏輝には思いを寄せて…。
そしてある日、隼人の元にある一通の封書が届いた。
大学のサークルで…、
「里奈~、届いたぞ~。」
「ん…???あ~、例のあれ…???」
「あぁ~、残念ながら人気あるみたいで、抽選で選ばれたのが浩二だ。」
「あっちゃ~、明彦…残念。」
「まっ、仕方ないさ。ふたりとも乗り気だったけどね。浩二だけでも選ばれたんだ、喜ばなきゃ。」
大学側公認の大阪で開催される、
「飲食部門の経営セミナー受講案内」である。10日間の受講期間となっている。
大々的には公開はされなかったが、回覧としてサークルにも回ってきたのだった。
サークルのドアを開けて、明彦と喋りながら入ってくる浩二。
「…そうそう、俺もそう思う。絶対にその方が良いって…。」
浩二。
「…だろ…。やっぱりお前も同じ考えか…。」
明彦。
「おっ、来た来た、浩二~~。」
隼人。
「ごめ~ん明彦。」
顔の前で両手を合わせて目を瞑る里奈。
「はっ…???…なに…???」
浩二、明彦。
「浩二、おめでとう。」
書面を浩二の目の前に隼人。
「大阪…行って来い。」
「…へっ…???おお…さ…か…???」
「おぅ。」
目をパチクリさせて…浩二。
隼人から書面を手に取って。
「えっ???あっ???…へっ???…じゃ…。」
隼人、
「うん。」




