表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Harem Time!  作者: 浅野エミイ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
8/9

8.行き先不明

 そんな想像は一日も持たずして崩れ去った。姉貴が終電で帰宅したのである。わかめ頭なのはさっきとちっとも変わらないが、顔は真っ青だった。

 姉貴は家族の誰とも口を聞かず、そのまま自分の部屋に閉じこもった。母さんたちがあまりにも騒ぐものだから、俺がまた様子を見に行くことになった。

「姉貴」

 無言。更に二回ノックして、呼びかける。応答なし。

 今日の騒動のこともあり、俺は心配になった。あの後研究所で何かあったのだろうか。

 姉貴には悪いが、部屋のドアを一気に開けた。部屋は真っ暗なのに、デスクの上の蛍光灯だけこうこうと光っていた。姉貴はそこで何をするでもなく、頬杖をついてぼーっとしていた。

「母さんたちに挨拶くらいしろよ。心配してたぞ」

 しばらくの沈黙の後、姉貴はそのままの体勢で口を開いた。

「桜以外のアンドロイドが逃げ出したのよ」

 その一言は、俺の頭を鈍器で殴るよりも強く響いた。

「ど……、どういうこと?」

 姉貴の話は単純だった。気がついたら、研究室の扉は開放されていて、棺桶で寝ていた桜以外の四体がいなくなっていたらしい。

「桃か!」

 すぐ俺は気づいた。あの腹黒いショタ型アンドロイドは、俺を罠にはめたってことか。

「でも、外になんて簡単に出られないでしょ? 警備員さんだっていたのに」

「それがどうやら研究室と同じ階で火災騒ぎがあったらしくて……」

 騒ぎに便乗して逃げたのか。やり方まで汚い。

「あいつら……私を置いて、どうして逃げたのかしら。桃たちならともかく、あの檜まで」

 悔しそうな姉貴の言葉も気になったが、俺はそれよりもっと大事なことを聞いた。

「そういえば、桜は? また動かせるの?」

「コードをさせば動くわよ。ただ、今回相当な電力を使っちゃってね。会社からクレームが来たのよ。だからしばらく改良するまでは起動させないわ。ま、すぐできると思うけどね」

「動く」と聞いて、俺は安心した。だけど、桜が起きたら現状をどう思うだろう。他の仲間は自分をおいていなくなってしまった。俺だったら悔しいとか、裏切られたと思う。だけど、あの無表情なアンドロイドはどう思うだろう。

「全く、警察にも相談できないし……。あいつらが勝手に戻ってくることを祈るしかないわね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ