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【第二部完】AIにリストラされた俺、異世界で「生成AI」を使いこなして成り上がる〜進化する相棒と共に世界をハックする〜  作者: ikura
(未定)

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山越え衆と別れ、険しい峠を下りきったところで、街道の様相は一変した。

 ザルガスが手綱を引く馬車は、規則正しく敷き詰められた黒褐色の石畳の上を滑るように進んでいく。視界の先、盆地の中央に鎮座するのは、アステリア魔国の首都・王都アステルだ。

 

「……ようこそ、アステルへ。長旅ご苦労さん」


ザルガスが声をかける。


 ケンジは馬車の窓から城塞都市を見上げた。以前、カレンベルクの使者として初めてこの地を訪れたときは、飛竜での移動にリィザ共々ふらふらになっていたし、停戦と和平という重責もあり、周囲を観察する余裕などなかった。だが今、改めて見渡せば、街のあちこちに魔導回路が張り巡らされているのが分かる。そして、そのほとんどが機能しておらず沈黙したままであることも。


「ケンジ、顔つきが硬いわよ。どうしたの?」


隣に座るリィザが、そっとケンジの手に自分の手を重ねた。

 

「ああ、すまない。以前ここへ来た時のことを思いだしてたんだ」


 正門に近づくにつれ、沿道を行き交う魔族たちの視線が馬車に集まる。かつては魔素不足に喘ぎ、活力を失っていたこの国だが、今は活気に満ち溢れている。


「止まれ! カレンベルクの使者か!」


巨大な黒鉄の門で、重装甲の門番が槍を交差させる。

 ザルガスが馬車を止めると、ケンジは静かにカレンベルクの使者の証票を提示した。


「カレンベルクの使者として参りました。魔王陛下への謁見の取次ぎをお願いします」


門番が証票を確認し、すぐに槍が引かれた。重厚な門が地響きを立てて開き、一行を城内へと導く。ザルガスは慣れた手つきで馬車を走らせ、商隊用の広場ではなく、使者専用の正面玄関へと滑り込ませた。


「さて、ここからは俺の出番はここまでだ。ケンジ、しっかりやってきな」


ザルガスが不敵に笑って見送る中、ケンジはリィザを伴って馬車を降りた。


(マスター、期待通りです。王都のいたるところに魔導回路の反応を感じます。ここは……宝の山ですよ)


「……ああ。だが、まずは謁見だ」


従者に案内された謁見の間は、深い静寂に包まれていた。高い天井まで届くステンドグラスから差し込む青い光が、広い大理石の床を照らし出している。


玉座に座るアステリアの王は、不敵な笑みを浮かべ、ゆっくりと口を開いた。


「久しいな、ケンジ。我々との交易は上手くいっているようだが人間側の調整の方はどうだ?命は代えても和平を認めさせると言っていたお前の言葉を忘れてはおらぬぞ」


ケンジは一歩前に出て一礼した。


「調整については成功しました。グランヴェール王国での和平交渉の結果は後ほど報告させていただきます」


「それを聞いて安心した。詳細は後で聞かせてもらうとして、道中の村々での活躍についても教えてもらおうか」


王の鋭い瞳が、ケンジを射抜くように見つめる。


「……さすがお耳が早い。それについては私も閣下とお話ししたいと思っていたところです」


ケンジが淡々と答えると、謁見の間にアステリアの王の笑い声が響いた。

新たな「交渉」の幕が上がった。

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