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【第二部完】AIにリストラされた俺、異世界で「生成AI」を使いこなして成り上がる〜進化する相棒と共に世界をハックする〜  作者: ikura
(未定)

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8

ガル・ドルナの村を包む朝霧がまだ晴れぬうちに、ケンジたちは出発の準備を終えていた。

見送りに来た村長は、昨夜までの険しさが嘘のように穏やかな顔でケンジの手を握った。


「感謝する、ケンジ殿。あの守護者の灯火が消えぬ限り、我々はこの地で生きていける」


子供たちが眠そうな目をこすりながら馬車を追いかけてくる中、一行は再び魔国の荒野へと踏み出した。


蹄の音だけが響く静かな道中、ケンジは馬車を並走させているザルガスに声をかけた。


「ザルガス。昨日のような『石の人形』だが、魔国には他にもあるのか?」


ザルガスは手綱を握る手を止めず、少しだけ声を潜めた。

「……おいおい、あんまり大声で聞くなよ。本来、人間に教えるようなことじゃねえんだ」


そう言いながらも、ザルガスは周囲を確認し、口元を歪めて笑った。

「まあ、あんたになら話してやるよ。……あるぜ、他にもな。内陸へ行けば行くほど、もっと巨大なやつや、奇妙な形をした遺物がな」


「それらは今でも動かないのか?」


「ああ。俺たち『下々』に分かっているのはそこまでだ。だが、噂じゃあの石塊を動かそうと研究を続けているらしい。文字通り失われた技術ってやつだ。……詳しいことは、それこそ魔王陛下や側近の貴族共しか知らねえはずだ」


「……王都に行けば、その答えがあるということか」


「そうなるな。ま、せいぜい好奇心で首を突っ込みすぎて、軍部に目をつけられないようにしろよ。俺の命も危なくなるぜ」


ザルガスはそう言い残すと、商隊の先頭へと馬を戻していった。


馬車の窓から遠ざかるザルガスの背中を見送り、ケンジは背もたれに深く体を預けた。


「……やはり王都に行かないといけないな」


「……でも、物騒な話ね。あなたがゴーレムを動かしちゃったのはまずかったんじゃない?」


リィザが不安げに隣に座るケンジを見つめる。


(マスター、リィザ様のおっしゃる通りです。ザルガス氏が『生きている』個体を知らないのであればゴーレムを動かした我々をほおっておかないでしょう。先手を打ってこちらからゴーレムを動かした実績をアピールして共同開発を提案することをお勧めします)


「確かにな……」


(はい。もし動く個体にアクセスできれば、私の意識をデタッチするプロセスは一気に現実味を帯びます。リィザ様、もうすぐですよ。私がこの脳内から消え、お二人が本当の意味で『二人きり』になれる日が……!)


「ノア、余計な一言がなければなぁ」


「ふふ、でも楽しみね、ケンジ。ノアが外に出たら、まずはお説教してあげないと」


リィザが楽しそうに笑い、ケンジの手をそっと握りしめる。


「……そうだな。まずは、王都でその『答え』を見つけよう」


馬車は乾燥した大地を揺れながら進む。

目指すは魔国の心臓部、魔王の住まう王都。

そこには二人の静かな未来を左右する「禁忌の技術」が眠っている。

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