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5月の公式戦 7

 #4イッちゃんのサーブ。


 今度も強いサーブがパパクラブBコートに向かった。


 パパクラブBは、バックセンターがレシーブ。コート右前方に上がったボールを前衛ライトがホロー。最後はセッターがチャンスボールでSIEGコートに返した。


 SIEGはハーフセンター#9ジョンちゃんがオーバーでレシーブ。ややドリブル気味だったが第一レシーブなので反則ではない。そしてそのボールをセッター#5フサエちゃんがサーブから急いで前衛レフトに戻って来た#4イッちゃんにトス。しかしこれはさすがにドリブル。かと思ったら主審はスルー。プレーは続いた。だが#4イッちゃんに上がったトスはネットに近く、#4イッちゃんが軽くパパクラブBコートに押し込んだ。


 パパクラブBは、いや恐らくSIEGも#5フサエちゃんのドリブルだと思ったので、プレーを止めていた。最後に押し込んだ#4イッちゃんですら、そう思いながら取り敢えずプレーをしたと思われる。


 しかし主審は、SIEGの得点の判定。


 慌ててパパクラブBのキャプテンが主審の所に行った。


 パパクラブBの監督も大きな声で、「ドリブル!、ドリブル!」と叫んでいる。


 陽介は、他地区でも下部の試合では、審判アルアルで、ドリブルだと分かっていても吹笛し損ねることがよくあることを経験上知っているだけに、「もし判定がノーカウントになっても仕方ない。そこはお互い様。」と思っていたが、なんと判定は変わらず。


 さらに、パパクラブBのキャプテンに、監督が大声で抗議していることについて注意を与え、次に抗議をしたり抗議をしているように思えるような言動があった場合はイエローカードを出すと、監督に伝えるように指示をした。


 そもそも、審判に質問をすることは許されているが、抗議は一切認めていない。


 特にハンドリングについては、ドリブルであろうとホールディングであろうと、抗議は出来ない。


 例えば、アウト・インの判定に疑問を持った場合、主審に「線審は旗を上げてアウトのジャッジをしていますが、なぜ主審の判定はインなのですか?」は質問なのでOK。しかし「線審がアウトってジャッジしてるんだから、今のアウトじゃない!!!」というのは抗議なのでダメ。という具合だ。


 しかも、主審と話を出来るのはコートキャプテンのみ。その他のコートメンバーやベンチメンバー、監督を含むチームスタッフは、原則ゲーム中に主審に話が出来ない。


 もちろん、地方で行われる大会など地域の人間関係で成立している多くの大会では、あくまでも審判に対する原則であって、厳密ではない。


 特に色々な大会の下部の試合では、ルールを良く知らない人が線審をやっていたり、副審や記録をやったりするので、その辺は寛大である。


 しかし国際大会などでは、審判に対する抗議でイエローカードやレッドカードが出る試合を時々見かけるくらい、厳密だ。


 今回の場合、確かに主審の判定は物議を醸し出すには十分だったかもしれないが、主審の言い分を聞いたパパクラブBの監督さんは、渋々右手を上げて「了解しました!」と意を示した。


SIEG10-9パパクラブB


 #4イッちゃんのサーブが続く。


 ネットすれすれの強いサーブが、パパクラブBコートに向かった。


 パパクラブBは、バックライトがレシーブを試みるも、後方に弾いた。


 #4イッちゃんのサービスエース。


 SIEGはコート中程に円陣を組み「せ~の、SIEG!」と大声で言った。


 パパクラブBは、早々に2回目のタイムアウトを要求した。


SIEG11-9パパクラブB


 相手のタイムアウトでベンチ戻って来たメンバーに陽介は、「今のジャッジはラッキーだったネ!、でも#5フサエちゃん、ドリブルって判断されても仕方のないプレーだったから、気を付けてネ!。パパクラブBは今のジャッジと#4イッちゃんのサーブで意気消沈してるから、SIEGは練習でやって来たことを一生懸命出せるようにプレーを続けよう!、そうすれば必ず勝機は訪れるから!、それと#4イッちゃんのサーブが良いからダイレクト(1本)で自陣に返って来るボールに注意して!」と言って、コートに送り出した。

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