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5月の公式戦 5

 引続きパパクラブBのサーブ。


 今度も強いサーブが飛んで来た。


 SIEGはバックセンター#15マリちゃんがレシーブを試みるも後ろに弾いた。


 パパクラブBのサービスエース。


SIEG3-8パパクラブB


 向かって来る強いサーブに対し、明らかに体をよけながらレシーブを試みた#15マリちゃんに、陽介はベンチを立って(当時の9人制のルールでは、ラリー中に監督はベンチを立って指示することが出来た)、「#15マリちゃ~ん、さっき僕が言ったことを勇気を持って実行してぇ~!」と大きな声で言った。


 #15マリちゃんは軽くうなずいたが、次も私の所にサーブが飛んで来たらどうしよう?というような面持ちだった。


 パパクラブBは全員がコート中程で円陣を組み、大喜び。「次もナイスサーブお願いネ~!」と大きな声を出していた。


 パパクラブBのサーブが続く。


 打ち損ないのサーブがSIEGコートに向かって来た。


 陽介は、ラッキー!と思ったが、何とハーフセンター#9じょんちゃんが、打ち損ないの緩いサーブに陽介の指示に応えるべく体ごとぶつけに行った。


 当然ながらタイミングが合わず、自分の胸に当ててしまいボールは力なく#9じょんちゃんの目の前に落ちた。


 陽介は、ベンチから転げ落ちた。


 そして、弱小ママさんバレーボールチームに、『臨機応変』ということを期待していけないなのだと、あらためて思った。


 陽介は、コートサイドラインぎりぎりの所まで行って、「大丈夫。今のは打ち損ないだから、次は必ず強いサーブが来ます。そうしたら勇気を持って体ごとぶつけましょう!」とコート内の全メンバーに言った。


SIEG3-9パパクラブB


 パパクラブBはサーバーが照れ笑いをしながらコート中程で、「ゴメーン!、次はチャンと打つから!!!」と言って、全員とハイタッチをしていた。


 パパクラブBのサーブはまだ続く。


 今度は強いサーブがSIEGコートに向かって来た。


 SIEGはバックレフト#13オキヨちゃんが、「えぇ~、私の所に飛んで来ちゃった!」という感じで慌ててパパクラブBコートに向かい、体ごとボールにぶつけた。もちろん腕をアンダーパスのように組んだ状態で。


 #13オキヨちゃんが体ごとレシーブしたボールは、パパクラブBコートに勢いよく向かった。


 パパクラブBは、今度もサービスエースだと勝手に思い込み、全くレシーブの準備をしていない。


 そこに#13オキヨちゃんがレシーブした勢いのあるボールがやって来た。


 パパクラブBの面々は、一切動くことが出来ないまま、そのボールをただただ目で追った。


 そして#13オキヨちゃんが必死にレシーブしたボールは、パパクラブBコートエンドラインぎりぎりに落ちた。


 パパクラブBもSIEGも、アウトなのか?インなのか?、担当線審の旗の行方を見た。


 だが線審は、このゲームを見入ってしまっていて、ボールの落ちた所を見ていなかった様子。


 下部のリーグ(弱小チームが集うリーグ)ではよくあることだ。


 主審が、副審と担当線審を呼び寄せ数秒話をした。


 担当線審が申し訳なさそうに、持ち場に戻った。


 主審の吹笛。


 ジャッジはSIEGの得点。ボールはパパクラブBコート内に落ちた。という判定だった。


 しかしパパクラブBのキャプテンが、主審に質問に行った。


 陽介はその内容を後で聞いたのだが、どうやら担当線審がボールの行方を見ていなかった。かなりキワドイ位置にボールが落ちたが、主審からは見えていたのですか?という質問だったらしい。


 主審は、「私はインに見えてました。担当線審は見ていなかったが、一応担当線審と副審と話をして、主審である私のジャッジを有効としました。」と、丁寧に答えてくれたらしい。


 いずれにしてもSIEGの得点。


 #13オキヨちゃんの、勇気のあるプレーによる得点でSIEGの面々に笑顔が戻って来た。


SIEG4-9パパクラブB

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