表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
18/51

A氏最後の監督、親睦大会(おおらか杯) 5

 相手のタイムアウトでベンチに戻ったSIEG。


 相変わらず選手だけで会話をして、給水をした。


 タイムアウト明け、SIEGは#5フサエちゃんのサーブが続く。


 副審の確認が終わり、主審のサーブ許可の吹笛があった。


 #5フサエちゃんは、思いっきりサーブを打った。


 しかし、そのサーブはネットにかかってしまい、第一サーブ失敗。


 陽介は、「頑張れ~!、このままサービスエースを続けてぇ~!!!」と、観客席から大きな声で声援をおくった。


 #5フサエちゃんは、陽介の方を見て軽くうなずき、第二サーブを打った。


 だが、今度はパパクラブコートのエンドライン後方を遥かに超え、他の試合をしているコートにボールが入らないよう張ってある防球ネットにダイレクト当たった。


 きっと第一サーブをネットにかけてしまったので、絶対にネットを越えさせようと思いっきり打ったに違いないし、また陽介にはそのように思えた。


 第一サーブの失敗を教訓として第二サーブを打ったのは、見るところがあって頑張ったと思うが、バレー経験が浅いことを差し引いても、#5フサエちゃんの第二サーブは打った瞬間からアウトだと分かるサーブだった。


SIEG9ー3パパクラブ


 パパクラブのサーブ。


 こちらも緩いサーブがSIEGコートに向かって来た。


 SIEGはバックセンター#15マリちゃんがレシーブ。


 ほぼコート真ん中に上がったボールを、#9じょんちゃんが、アンダーでこれまた真上にレシーブ。


 そして3コンタクト目を、再びバックセンター#15マリちゃんが必死にパパクラブコートに返した。


 パパクラブは、中衛ライトがアンダーでレシーブ(ワン~!)とパパクラブのメンバーが声を出したが、第二コンタクトは無くそのままダイレクトでSIEGコートに返った来た。


 そしてそのボールを慌ててハーフセンター#9じょんちゃんがオーバーでレシーブしようと動いた。


 その時である。


 #9じょんちゃんが突然その場でうずくまり、ボールはSIEGコートに落ちた。


 #9じょんちゃんは、足首を押さえている。


 SIEGのメンバーが#9じょんちゃんのところに集まり、心配そうに#9じょんちゃんに何か話しかけている。


 副審が心配そうに、#9じょんちゃんの所に近寄った。


 さらに、当然ながら監督のA氏もコートに入り#9ジョンちゃんに近寄って何か話している。


 しばらくの間、チームメイト・副審・監督のA氏が#9ジョンちゃんと話していたが、#9ジョンちゃんは苦悶の表情を浮かべながらチームメイトに抱えられベンチに戻り座った。


 そして、副審と監督のA氏がメンバーチェンジの話しをしているように見えた。


 陽介は、状況から見て恐らく足首の捻挫ではないかと思い、観客席を降りてコートに向かった。


 陽介は、試合に行くとき自前の救急セットをいつも持参していた。もちろん自分のチームが試合をする時だけ持参をするのだが、この試合以降自分が監督をするチームだということもあり念のため持参していた。


 故に、陽介が試合に行く時はいつもバックが大きい。そして重い。


 ベンチに到着すると、#9じょんちゃんが変わらず苦悶の表情をしていた。


 試合は、監督のA氏がベンチメンバーだった#6あずみちゃんを、#9じょんちゃんと同じハーフセンターの位置に入れて再開をしようとしていた。


 ちなみに試合中に負傷者が出ると、通常であればベンチメンバーと交代する。もし全てのベンチメンバーが選手交代済みである場合でも、インジュアリータイムを要求することができ(確か3分以内、ヒョットすると5分以内。チョッと記憶が曖昧です(^^;))、そのタイム内に選手が回復しない場合は交代済みのベンチメンバーをコートに入れて試合を続けることが出来る。ただし、ベンチメンバーがいない場合(9人しか登録してない場合など)は、そのタイムアウトの時間内に負傷した選手が回復しない場合は棄権となる。


 SIEGは、未交代の#2あずみちゃんがベンチにいたので、インジュアリータイムを使用せず選手交代をして試合を続けた。


 陽介は試合そっちのけで、#9じょんちゃんの腫れている足首の様子を見て、「多分捻挫だね。しかもかなり腫れているから結構重症かもしれないよ。」と言い、持参した救急セットの中から応急用の冷却パック(袋を叩くと冷たくなり、約30分は効果が持続する薬局などで売っている物)を2個、#9じょんちゃんの足首を挟むようにあてがい、テーピングテープで固定した。


 そして、「僕は医者ではないので、捻挫なのか骨折なのかの判断はつきません。自分が救急車呼んだ方が良いと思うぐらい痛いのならば直ぐに呼んだ方が良いと思うし、ある程度我慢が出来そうならばご主人やご家族に連絡して車で迎えに来てもらった方が良いと思うよ。そして必ず今日中に開いているいる医療機関に行って診察を受けた方が良いと思う。」と言った。


 #9じょんちゃんは、後者を選びご主人に迎えに来てもらうことにした。


 試合は当然ながら続いていたが、陽介は観客席にいるSIEGと仲の良い他チームの人に#9じょんちゃんの荷物をコート脇まで持って来てもらい、さらに体育館の外まで(車が入ってこれる場所まで)#9じょんちゃんのために肩を貸してもらった。


 陽介は、#9じょんちゃんのご主人の車が到着するまで一緒に待って、ご主人にケガをした時の状況を伝え引き渡した。


 そして陽介が体育館に戻った時、「SIEG VS パパクラブ」の試合は既に終わっていて、次の試合を行うチームがコートで練習をしていた。


 #5フサエちゃんが陽介の所に来て、「じょんちゃん、どうだった?」と心配そうに聞いて来た。


 陽介は、ご主人に引き渡したことを伝え、「後は、お医者さんにまかせるしかないね。」と言った。


 振り返ると、そこにはSIEGのメンバー全員が陽介の話を聞いていた。


 陽介は、「ところで、試合はどうなったの?、この時間にここにいるってことは、2セット目を取ってフルセット(3セット)をやっている訳ではないのは分かるけど…。」と#5フサエちゃんに聞いた。


 #5フサエちゃんは、下を向きながら「#9じょんちゃんが、ケガで交代してから2点しか取れず負けました。」と陽介に報告した。


 すると#4イッちゃんが、「その選手交代の件で、監督のA氏に言いたい事があるんです!」と、陽介に話して来た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ