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A氏最後の監督、親睦大会(おおらか杯) 4

 第二セット、第一セットの最後のサーバーがパパクラブだったので、SIEGからのサーブとなる。


 (9人制バレーボールセット開始時のサーブ権は、6人制がセットごとに対戦チームが交代でサーブ権を得るのと違い、前のセットの最後のサーブを打ったチームの対戦チームからとなる(ちなみに、第一セットのサーブ権は、プロトコール時に6人制はコイントス、9人制は当時ジャンケンで決めていた)。

 したがって3セットマッチの場合6人制では、第一セットの最初のサーブ権をAチームが得たとすると、第二セットの最初のサーブ権はBチームがが得る。試合がフルセットになった場合は、あらためてトスを行い第三セットの最初のサーブ権を決める。

 それに対し9人制では、第一セットの最初のサーブ権をAチームが得た場合でも、第一セットの最後のサーバーがBチームであれば、第二セットの最初のサーブ権もAチームとなる。またフルセットになった場合でもこのルールは継続され(6人制のように、あらためてトスを行いサーブ権とコートを選択することは無く、コートチェンジを行うことによってのみ第三セットを行う)、第二セットの最後のサーバーがBチームであれば、第三セットの最初のサーブ権もAチームとなる。9人制バレーボールではフルセット(3セット目)を行った場合、3セットとも各セットの最初のサーブ権が同じチームになることがある(この場合Aチーム)。

 そして9人制の試合は、日本最高峰9人制バレーボール「トップリーグ」でも、3セットマッチしかない。

 6人制は、高校の全国大会決勝戦などや、大学・Vリーグ・国際試合では5セットマッチで行われる。)


 主審のサーブ許可の吹笛があった。


 SIEGのサーバーは、#3アブちゃん。


 アブちゃんは中衛レフトのポジションなので、サーブを打った後急いでネットの前でブロックやアタックの準備をしなければならない。


 #3アブちゃんは、相手コートにに入れるだけの目的でサーブを打ち、ダッシュでネットの前に行った。


 パパクラブは、優しいサーブをハーフセンターがレシーブ。


 パパクラブのベンチを含む全メンバーが、「ワン~!」と大きな声を出す。


 セッターがレフトアタッカーにトスらしきものを上げた。「ツゥ~!」


 しかしそのトスは短い上にネットから離れた。


 レフトアタッカーは、オーバーパスでSIEGコートにチャンスボールを返した。「スリィ~!」


 SIEGは中衛ライト#1ユッケちゃんがオーバーでセッターにパス。


 セッター#5フサエちゃんは、ドリブルの反則を取られても仕方ないようなトスをレフト#4イッちゃんに上げた。


 #4イッちゃんは、そのトスを必死に打った。


 しかしそのアタックは、ネットを越えることなくSIEGコートに落ちた。


 パパクラブは、「ラッキー!!!」と全員が声出しながら拍手した。


 SIEG0-1パパクラブ


 パパクラブのサーブ。


 これも緩いサーブがSIEGコートに向かって来た。


 SIEGは、ハーフセンター#9じょんちゃんがオーバーでレシーブ。セッター#5フサエちゃんは、これまたドリブルと思われるようなトスを中衛レフト#3アブちゃんに上げた。


 #3アブちゃんは、そのトスを思いっきり打ったが、やはりネットを越えることはなかった。


 そもそも#3アブちゃんはジャンプ力が無くネットからあまり手が出ない。またアタックを打つ時も腕を横振りしてしまうので打点も低くなる。


 つまり、アタッカーとしてはネットを越えたアタックを相手コートに打つには、極めて確率が低いプレーヤーだった。


 陽介は、「まだバレーボールという競技になっていないチームだということを差し引いても、何で確率の悪いプレーヤーにトスをあげるのだろう?、ヒョットしたら同時に監督をしているチームと(陽介は、かけもち監督をしている)同様、女性特有の事情があるのだろうか?」と、ノートに書き留めた。


SIEG0-2パパクラブ


 パパクラブのサーブが続く。


 相変わらず優しいサーブがSIEGコートに向かう。


 しかしそのサーブは、2本共ネット越えなかった。


SIEG1-2パパクラブ


 SIEGのサーバーは、セッター#5フサエちゃん。


 前衛でプレーするので、こちらもサーブを打った後急いでネットの前まで行かなければならない。


 実は#5フサエちゃん、サーブが苦手だ。


 さらに膝にかなりの古傷をかかえており、ダッシュで戻るのは難しい。


 #5フサエちゃんは、陽介に言われたように速くて・低くて・エンドラインまで届くようにサーブ打った。


 パパクラブは、バックセンターがレシーブを試みるも後ろに弾いた。


 #5フサエちゃんのサービスエース。


 SIEGはさぞかし喜ぶかと思いきや、やはりおしとやかにガッツポーズをするだけだった。


 陽介は、「ナイスサーブ!、このままこのまま、もう1本今のサーブ打ってぇ~!!」と大きな声で声援をおくった。


 #5フサエちゃんは、観客席の陽介を見上げ嬉しそうに笑った。


 陽介は、「なん~だ、決めればヤッパリ嬉しいんじゃん!、もっと派手に喜びを表せばいいのに!」と思った。


SIEG2-2パパクラブ


 この後、#5フサエちゃんがナイスサーブを続け、何と7連続得点をした。


 やはり8部では、サーブが優劣を決める一番大きな攻撃だと、陽介は感じた。


SIEG9-2パパクラブ


 パパクラブは、タイムアウトを要求した。

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