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かけもち監督? 11

 フサエちゃんからの連絡を待つことにして帰宅した陽介だったが、練習終了時刻が12:00だったので帰り道に昼食を食べることにした。


 陽介が寄ったのは、某牛丼チェーン店。


 陽介は、現在監督をしているママさんバレーチームで、ボールを打ったり大きな声を出したりすることにより、当初3桁あった体重も既に20㎏も減り、二桁となっていた。


 もっとも、体を動かしていることによる体重減と言うよりは、超法規的な集団の現チームとのかかわりによるストレスが最も大きな原因だったと思われる。


 久しぶりに入った牛丼屋。


 陽介は並盛をたのんだ。


 直ぐに陽介の席に牛丼が届いた。


 別にたのんだ生卵・おしんこ・味噌汁も同時に届き、牛丼に生卵をかけ無料の紅ショウガをのせ一気にかきこんだ。


 美味い!


 久々ではあるものの、非常に美味い。


 陽介は、同じ物をおかわりした。勿論お金を払って。


 美味い!


 『早い・うまい・安い』の看板に偽りなし!と妙に感心した。


 店内で牛丼をおかわりしたのは、体重が3桁あった頃以来だった。


 お腹が満たされた陽介は、幸せな気分で帰途に着いた。


 自宅に帰り牛丼の余韻に慕っていた時、フサエちゃんから電話がかかって来た。


 もちろん、監督を引き受けて欲しいとの内容だった。


 陽介は、自分が伝えた条件をあらためて確認をした上で、監督を引き受けると答えた。


 フサエちゃんの電話を切って間もなく、お仲人さんの奥さんから電話が入った。


 奥さんは、「陽ちゃん、ありがとう。絶対に引き受けてくれると思ってたわ!、フサエにも頑張るように言ったから、宜しくお願いネ!」と言い、やはり一方的に電話は切れた。


 陽介は、「やれやれ、これで2つのチームを同時に監督することになった。どちらか一方の気を抜くことは出来ないから、これから大変になるなぁ~」と思い、色々と考えていたが、満腹も手伝いそのままうたた寝をしてしまった。


 どのくらい寝ていたのであろうか、陽介は携帯の呼び出し音で目覚めた。


 電話の相手は、現在監督をしているチームのメンバーだった。


 その電話で、「①今のチームで監督をしているのに、別のチームの監督を引き受けるとは何事か?、②今のチームはどうなるのか?、③全員の前で説明してもらいたい。」だった。さらに「ママさんバレーチームは女性の集団。かけもち監督になって指導の力の入れ方や思いが偏らないと言い切れるか?もし言い切れなければ揉め事になるが、覚悟は出来てるか?」と言われた。


 高みを目指し練習を重ねる現チームにとっては、気なったことであろうと思った陽介だったが、『女性の集団』による考え方や思いまでは頭がまわっていなかった。


 俗に言う『嫉妬』なのかも知れないと思い、「地域も違うし、かけもち監督はルール上問題ないこと。今監督をしているチームをないがしろにしない事を約束すること。全員の前であらためて報告をすること。そして決して現チームを指導するにあたり手を抜かないこと。」を約束して電話を切った。


 そして既に監督しているチームの練習日、陽介はこの件について丁寧に説明をした。


 皆、分かったような分からないような雰囲気ではあったが、一応かけもち監督を了承してくれた。


 説明が終わり了承してもらったはずの陽介だったが、現チームの恒例行事『これからの時間』と称す飲み会で、あらためてこの件が話題になり、訳の分からない『お祝い』と言う理由で午前3時まで飲まされることになった。しかもその日は平日…。


 だが何はともあれ、ここに弱小ママさんバレーチームのかけもち監督が誕生した。

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