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ライバル悪役令嬢に転生したハズがどうしてこうなった!?  作者: だましだまし


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急な自覚

リマジというのは古語で『始まり』を指す…って授業でやった気がする。

帰りの馬車でふとそんな事を思い出した。


後で知った話、お兄様が保養地で聞いた毒を見抜く力をシグルス様に報告しバルム様と3人で相談した結果最終的にジグスさんを叙爵させようと言う事になっていたらしい。

ただの執事の1人でなく未来の王妃の側仕えとして残すためだそうだ。

あの時間稼ぎで得た会話で叙爵に至るだなんて運命って不思議。


そして許可を陛下に受け、亜人に叙爵するという前代未聞の事をするに当たって両陛下と相談した結果、反論などを叙爵前に受けないよう次世代の取り決めにしようということだった。

新しい時代の新しい世を創る礎にするように、という言葉と共に両陛下は応援をしてくれたらしい。


任命式はお父様を除いた来ていた者達全員に何かの任命が行われた内定式でもあった。

学園を問題なく卒業出来れば、という条件付きだが今日集まった者たちなら問題なく卒業するだろう。

最近色々とやらかしていたフェロガスも元々は優秀なのだ。

マリアが居なくなるならば行動も落ち着き当然のように卒業を迎えると思う。

お兄様はシグルス様の近衛騎士の中でも側仕え、私は王子妃付きの専属側仕えだ。

侍女と違って身の回りの世話などをするのでなく、その侍女たちとシル様の橋渡しやフォロー、話し相手をする役回りである。

シル様たっての希望との事だった。


そして、お父様に確認を取りたい内容。

なんとジグスさんと私の婚約について、だったのだ!

理由はシル様をよく知りシル様から信頼がある2人ということ、ジグスさんに付く後ろ盾として強すぎない家かつ貴族としての振る舞いを私が教えられること、私とセルディが仲の良い双子で其々がシグルス様とシル様の側仕えとなるので連携をとるのに都合が良いこと、以上の利点からだと言われ「タイミングが合えば乳母にもなってね」なんて言われてしまった。

お父様、あっさり了承。

こうして私はジグスさんと婚約し、卒業後の就職だけでなく結婚まで決まってしまった。


実はお父様はジグスさんが叙爵されたとはいえ『亜人との結婚』という事に一瞬迷われていたらしい。

が、お兄様曰く私の顔が婚約の話を持ち掛けられた途端もの凄くニヤけていたのでそれを見て了承したらしい。

お父様…葛藤なくあっさりすぐ受け入れたように見えていたのに…そして私、そんなにニヤけてたなんて…何故…。


そこまで考えてジグスさんとのやり取りが走馬灯のように頭を巡る。

初めて会った時、思わず美しい容姿に見惚れてしまったこと、シル様への気遣いの細やかさに彼の優しさが伝わってきたこと、太ってた過去をバラされた時妙に恥ずかしかった事…そして、保養地で気が付けば赤い髪を探し目で追っていたこと……。

私、ジグスさんが好きなんだ…。

唐突に自覚した。

カッと顔が熱くなり血が登っていくのを自覚する。

理由もなく恥ずかしくなってきて、急に婚約が夢みたいに感じた。

嬉しい…嬉しすぎる!

婚約したその日に好きって自覚して、すでに婚約してるってゆー…あぁ!もう!よくわかんないっ!!!

でも嬉しいからいっか♡


「…ディディ?さっきから百面相してるけど…大丈夫か?顔色も赤いぞ?」


恋の自覚に興奮状態になっちゃってお兄様の事をすっかり忘れていた。

「…なんか急に婚約を実感しちゃって…へへ」

もの凄く恥ずかしくて今更『恋心を自覚しましたー』なんて言えない。

「話題に出したしかな?何はともあれおめでとう」

今日はからかうことなく笑顔で祝福してくれたお兄様。

私たちは保養地での思い出話に花を咲かせながら家に帰っていった。

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