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第7章 秘密の休日
六月の日曜日。
健一は仕事だと家族に伝えていた。
由香もパート先の研修があると言っていた。
もちろん嘘だった。
二人は少し離れた街で待ち合わせた。
海の見える小さな港町。
観光客も少ない静かな場所だった。
昼食を食べ、海辺を歩く。
まるで普通の恋人のような時間だった。
由香は風に髪を揺らしながら言った。
「こういうの、久しぶりです」
「何がですか?」
「誰かと一緒にいて、時間が早く過ぎる感じ」
健一は返事ができなかった。
同じ気持ちだったからだ。
夕方になる頃には、別れの時間が近づいていた。
駅へ向かう途中、二人の足取りは自然と遅くなる。
もっと一緒にいたい。
そんな気持ちを言葉にしなくても分かっていた。
その日を境に、二人の関係はさらに特別なものになっていった。




