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第4章 初めての食事
メッセージを始めて一か月。
二人は実際に会うことになった。
休日の午後。
都内の小さなカフェ。
健一は約束の十五分前に到着していた。
落ち着かない。
まるで学生時代のデート前のようだった。
店のドアが開く。
長い髪の女性が入ってくる。
由香だった。
写真で見ていた以上に柔らかい雰囲気だった。
「健一さんですか?」
「はい。由香さんですよね」
初対面なのに不思議と緊張は長続きしなかった。
二人は二時間近く話し続けた。
仕事のこと。
家族のこと。
子供の頃の思い出。
メッセージだけでは分からなかった部分が少しずつ見えてくる。
由香はよく笑った。
その笑顔を見るたびに、健一の胸は少しだけ温かくなった。
帰り際。
駅の改札前で由香が言った。
「今日は楽しかったです」
「僕もです」
「また会えますか?」
その言葉に健一は驚いた。
だが迷わず答えた。
「もちろん」
由香は嬉しそうに微笑んだ。
その笑顔が、健一の頭から離れなかった。




