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第21章 もう一度
二人は駅近くのカフェに入った。
三年前とは違う。
若さや勢いではなく、落ち着いた空気が流れていた。
まずは近況報告だった。
仕事のこと。
健康のこと。
家族のこと。
三年間の出来事を少しずつ埋めていく。
やがて健一は聞いた。
「由香さんは、その後どうしていましたか?」
由香は少しだけ視線を落とした。
そして静かに答える。
「離婚しました」
健一は言葉を失った。
予想していなかったわけではない。
しかし実際に聞くと胸がざわついた。
「二年前です」
由香は続けた。
「いろいろありましたけど、今は一人です」
その表情に悲壮感はなかった。
むしろ吹っ切れたような穏やかさがあった。
健一は由香を見つめながら思う。
三年経っても、この人のことを忘れられなかった理由が分かった気がした。




