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第2章 登録
翌日の夜だった。
仕事を終え、満員電車に揺られながら帰宅した健一は、昨夜見た広告のことを思い出していた。
「どうせ登録したところで何も起きないだろう」
そう自分に言い聞かせながら、スマートフォンを開く。
年齢。
居住地。
趣味。
簡単なプロフィール。
数分で登録は終わった。
罪悪感がないわけではなかった。
しかし、誰かと話すだけなら問題ない。
そう考えていた。
実際、最初に表示された女性たちのプロフィールを見ても、特別な感情は湧かなかった。
若い女性。
同年代の女性。
趣味の合う人。
たくさんいる。
その中で、ふと一人の女性が目に留まった。
名前は由香。
三十一歳。
パート勤務。
プロフィールにはこう書かれていた。
「日常の何気ない話ができる人と出会えたら嬉しいです」
派手な自己紹介ではない。
写真も過度に加工されていない。
自然な笑顔だった。
健一は何となく「いいね」を押した。
それが全ての始まりだった。




