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第17章 最後の約束
冬が近づいていた。
二人は最後に一度だけ会うことを決めた。
連絡を取り続ければ、きっと前へ進めなくなる。
だからこそ、終わらせるための時間が必要だった。
待ち合わせ場所は、初めて会ったカフェだった。
窓際の席に座る由香は、以前より少しやつれて見えた。
健一も同じだった。
二人は長い時間話した。
出会った頃のこと。
楽しかった思い出。
お互いに救われたこと。
そして、傷つけてしまった人たちのこと。
由香は静かに言った。
「後悔はしています。でも、出会ったことまでは後悔できません」
健一はうなずいた。
自分も同じ気持ちだった。
間違いだったのかもしれない。
それでも、この出会いがあったからこそ、自分自身と向き合うことができた。
二人は最後に感謝の言葉を伝え合った。
恋人としてではなく、一人の人間として。
それが二人にできる精一杯の別れだった。




