11/25
第11章 決意
その日以降、健一の中で何かが変わった。
朝起きる。
会社へ行く。
帰宅する。
これまでと同じ日常。
しかし心は違っていた。
由香と過ごす時間だけが、本当の自分でいられる時間に思えていた。
ある晩。
娘の結衣が眠った後、健一はリビングで一人考えていた。
このままでいいのか。
あと十年、二十年。
同じ生活を続けるのか。
その時、頭に浮かんだのは由香の笑顔だった。
そして初めて、自分の中にある考えを認める。
離婚。
簡単な話ではない。
娘のことを考えればなおさらだった。
それでも健一は、自分の人生を見つめ直し始めていた。




