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第6話 僕の救世主

今回はクルス視点で今までのダイジェストみたいな感じですね。もしかしたら、読まなくても大丈夫かもしれません。いや、読んでほしいですけども。

 なんだか、すごく、痛くて、苦しい・・・

 気がついたら、ベット・・・? の上で寝かされている気がする。苦しくて目が開けられないけど、誰かが部屋にいるような気がする・・・


「はぁ・・・はぁ・・・ッ! ぐっ・・・ぁっ」

「!? 誰・・知らせ・・・!」


 急にさっきより体が痛くなって、息もしづらくなってきた・・・

 なにを言っているか分からないけど、誰かがバタバタと出ていった。


 すっごく、体が痛くて、息がしづらい・・・なんで・・・だろう・・・


「失礼・・・! ・・・ルス様!」

「はぁッ・・・はぁッ・・・ぐっ・・・ゲホッゲホッ」


 誰だろう・・・聞きたいのに、苦しくて、何も言えない・・・


「ク・・・様! もう・・したら・・・様が来てく・・・ますから、そ・・で頑張って!」

「くっ・・・かはっ」


 なんて言ってるんだ・・・あと、今僕が血? を吐いたから、なんか気持ち悪い・・・


「失礼します! ルー・・・様と奥様とお・・・を連れ・・・ました!」

「ルーナさん!・・・クルス様! お医者・・・来ら・・・したよ!」

「はぁ・・・ッ! ごふっ・・・・・・」


 この女の子の声・・・聞いたことがあるような気がするけど・・・分からない、どんどん聞こえなくなっていく・・・僕、死ぬのかな・・・


「・・・様!? し・・・してく・・・!」


「どいて・・・い! ・・・剣に・・・の毒でも塗・・・ったんでしょうか・・・なんの毒か・・・ないのでひと・・・く剣に塗・・・毒に効く・・・を飲ませます! あとメイド・・・クルス様の・・・た血を拭って、使った・・・はどこかに・・・おいてください! あと・・・ス様たちはクルス様から・・・ください!」

「「はい!」」


 何かを飲ませるって言っていたような・・・飲み込めるかな・・・


「・・・様! お・・・だから飲んで・・・い!」

「・・・コク・・・コク・・・ぐふっゴホッゴホッ」

「クルス様ッ!」


 さっきより聞こえるようになった気がするけど、飲んでる間は息ができなくてかなりしんどい・・・


「はぁ・・・コク・・・コク・・・コク・・・」

「・・・よし、とりあえず全部飲んだし、少し落ち着いたようなので効いているんでしょう。このまましばらく様子を見ましょう」

「よかった・・・クルス・・・」


 よくわからないけど少しマシになった・・・今ので疲れたからか、また僕は意識を失った。


―――――――――――――――――――――――


「クルス様・・・早く良くなって・・・・うと言わせ・・・さい・・・」


 誰かが僕の手を握って僕の名前を呼んでいる・・・早く良くなってと言っていて、声を掛けてあげたいのに体が動かない・・・

 そう考えていたら、手が暖かくなって、そのぬくもりが体全身に巡っていくような感覚があって、嘘みたいに体が楽になった。

 目を開けると、少女が僕の手を握って固まっていた。彼女が僕を助けてくれたのかな?


「んっ・・・うん? ここは・・・」

「クルス様っ! よかった・・・」

「ん?・・・きみはあのときの・・・大丈夫だったかい?」

「はい! クルス様のおかげです! 本当に、ありがとうございます・・・」


 なんと、ずっと僕を呼んでいた・・・気がする少女はあの時僕が助けた少女だった!

 ずっと僕のことを看病してくれていただなんて・・・あ、そうだ、名前を聞かないと。


「きみ・・・名前は?」

「ミナと言います」


 ミナちゃん・・・僕も助けられちゃったな。ここで働くみたいだし、年が近いメイドさんは初めてな気がするな・・・あの子とは仲良くしたいな。


「今お医者様とルーカス様と奥様を呼んできますので、少々お待ち下さい」

「あぁ、頼んだよ」


 あぁ・・・父上と母上が来たら説教だな・・・

 しばらくすると、ミナちゃんが父上と母上とネル、それと白衣を着た知らない男の人を連れて部屋にやってきた。


「クルス! 心配したのよ!」

「クルス兄さま! よかった!」

「母上! ネル! 心配かけてごめんなさい」

「クルス! 無事で良かった・・・」

「父上! 申し訳ありません。でも・・・」

「あぁ、シークから聞いているよ。よくやった。ただ、侯爵家の長男としては自分の身を(かえり)みない行動はしてはいけない。わかったか?」

「はい・・・父上」

「でも、本当に無事で良かった・・・心配したぞ・・・」

「あ、あの~、そろそろ診察しても大丈夫でしょうか?」

「え、えぇ、お願いします」

「はい、じゃあ、診察しますね」

「はい」


 母上とネルに心配をかけてしまったな。まぁ、あれだけうなされてたら心配するか。あと、やっぱり父上に怒られてしまった。でも、父上も心配してくれていたようでそこまで怒られなかった。

 で、僕を()てくれているお医者さんなんだけど・・・なんだか、すごく不機嫌そうな気がする。あと、僕をちゃんと見てないというか、なんというか、怖い目をしているような気がする。こういう時の僕の(かん)はよく当たるんだよな・・・2,3日屋敷にいるみたいだから気をつけておこう。


 それから、父上がミナちゃんにこの部屋にいるように言ったから、しばらく話すことにした。

 ミナちゃんからは、東大陸の家や服などの文化とか、色々教えてもらった。あと、ミナちゃんのことは呼び捨てで呼んでほしいと言われたから、次からミナって呼ぼうと思う。


「ルーカスだ。入っていいか?」

「父上! どうぞ」

「ミナ、君に用があるんだ。ちょっと来てくれ」

「はい? わかりました」


 たくさん喋っていたらミナが父上に呼ばれてしまって、自分の部屋で1人になってしまった。1人だと暇だな~と思っていたら、たくさん喋っていたからのどが渇いて、水を飲もうと水差しを手に取ると空っぽだった。ベッドから出るなと言われたけど、誰かに水を持ってきてもらおうとベッドから降りると、ふらついてへたり込んでしまった。思ったより体が動かないな・・・と思いながらも、動けなくはないから部屋を出て壁を支えにして使用人を探しに行った。

 すぐ見つかるだろうと思って部屋を出たけど、まだ誰ともすれ違って無いな・・・ちょっとしか進めてないし。はぁ、やっぱ帰ろうかな・・・


「誰か! 助けて!」

「えっ!? ミナ!?」


 ミナが助けてって言っている・・・小さいけど確かに聞こえた。早く行かないと! 動かない体に鞭打って声が聞こえたほうの部屋に走った。・・・走ったといっても、多分大人が歩くほうが早いけど。

 走った先でたどり着いたのは・・・客室? 客室ってたくさんあるけど、どこの・・・


「どこだ?・・・はぁっ、はぁっ、ケホケホッ」

「ちょっと! うるさいですよ!」

「んー! ふぁあひへ(はなして)ー!」


 ッ! あそこだ! 一番端っこの!


―――ガチャッ


「ミナ!」

ふるふふぁま(クルス様)!?」


 ドアを開けると、なにかの液体が入った・・・筒のようななにかを持ったお医者さんと、手を(しば)られてタオルで口を塞がれているミナがいた。

今後もクルス視点は入れようと思います。もしかしたらダブル主人公みたいになるかも?

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