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最終話 はじめての告白

今日は特別な日だ!

国中あげてのお祭り騒ぎ!


なんとあのラチェット王の初めての子供が誕生したのだ。

しかも、双子の王子と王女!

美しい王と王妃に似てそれはもう、可愛い赤ん坊たちだった。

将来はさぞかし美しい王子と王女になるに違いないと誰もが思った。


ラチェットはオムツを替えたりミルクをあげたり、

寝かしつけたり、歌を歌ったり、

とても楽しそうに子供達の世話をした。


服装も世話をしやすいように毎日エプロンをつけて、髪をお団子にしている。


シュレッダはというと、国境警備やら、小競り合いの仲介やら、

軍隊の隊長として城を出ていることが多かった。


赤ん坊たちはラチェットを母親と思っているだろう。





忙しい毎日が過ぎ、一年が過ぎた。

王子と王女もヨチヨチ歩きが始まり、可愛くお城を走り回る。

お城の皆が癒された。




さらに数年が経ち、王子と王女は手がかからなくなって、勉学や剣技に励む日々が始まった。

ラチェットはというと年齢は22歳になったにもかかわらず、まったくとし老いる気配もなく、

ますます美しさが増すような状態だった。




そんなある日-----。


グラインダー

「陛下、ちょっとお話があるんですが。


大人の渋みが出て来たグラインダーはかなり人気があるが嫁はとっていない。


ラチェット

「あ、グラインダーさん。なんでしょうか?


ラチェットは厨房で一生懸命銀食器を磨いていた。


グラインダー

「実は私の父が倒れまして、

父の跡を継いで、領主になろうと考えております。

それで残念ですが騎士団長は辞任させていただきます。


ラチェット

「え、そうなんですか?


グラインダー

「もちろん、陛下のためならばいつでも軍を率いて参上しますし、

ちょっと遠いですが、ちょくちょくお顔を見に来ますんで。

そんなに今までと変わらないですよ。


ラチェット

「そうですね!

お父様を安心させてくださいね。

私は大丈夫ですから。

気にしないで領主になってください。


ラチェットは元気に微笑んだ。




その夜-----------

二ブラの部屋


二ブラ

「陛下のご様子はどうだった?

さんざんお泣きになっただろう?


グラインダー

「ん、いや、珍しくまったく泣かず、わがままも言わず、

元気に笑っておられたぞ。


二ブラ

「ほお、随分と大人になられたもんだな。


グラインダー

「そうだな、初めてお会いした時の陛下は可愛い何もわからない動物のようだったもんなあ。


二ブラ

「ああ、懐かしいな。


グラインダー

「ラチェット様を頼むぞ、二ブラ。


二ブラ

「ああ、わかってるさ。

まあ、すぐにおまえの領地に遊びに行くとおっしゃるだろうから、

ラチェット様の部屋を用意しといてくれよ。

そういえば、お前はあちらで結婚するんだって?


グラインダー

「ああ、親同士が決めた許嫁がいてな、

俺もそろそろ後継を作らなきゃなってことさ。

ラチェット様に負けてられないからな。

お前こそどうなんだよ。


二ブラ

「私は、必要ないな。ラチェット様で手一杯だ。


グラインダー

「そうだな。


2人は朝まで飲み明かした。





------------------------------


それから3ヶ月が経った頃、

領主として着々と仕事を進めるグラインダーの元に

二ブラから手紙が届いた。



二ブラの手紙


----------- 大至急 王都に来られたし!


これは、宰相の命令でとにかく王都に向かわなければならなかった。


詳しい理由は書いていない。


グラインダーは弟に領主の代理を頼むと、

急いで王都に馬を走らせた。


陛下に何かあったのだろうかと、

道中色々な事を想像して不安になった。


7日で王都に到着し、早速住み慣れた王宮に向かう。


二ブラの執務室に入ると、

なんとあの各国の4人の王子が立っていた。


4人の王子はグラインダーをにらみつけている。



二ブラ

「グラインダー、遠いところ急いで足を運んでもらってすまなかったな。


グラインダー

「どういうことだ?

まさか、陛下に何かあったのか!?


二ブラ

「ああ、あったよ。

お前がいなくなってからのこの3ヶ月でな。


グラインダー

「な--------。ご病気なのか?

陛下に、陛下に会わせてくれ!


二ブラ

「まあ、待て、後で会わせてやる、

とにかく話を聞け。

3ヶ月前、まずは陛下が突然、何もないところで転び始めた。

そして、階段を使うたびに落ちた。

なんとかウェルズが助けてはいるが、

もはや1人では普通に歩けない状態だ。

そして、食事をとらなくなったというか、

とれなくなった。

あんなに大好きだったプリンさえな。

その結果どうなったと思う?

見事に死にかけている。


グラインダー

「なんだって!?


フレア王子が静かに口を開いた。


フレア王子

「これがどういうことかわかるか?騎士団長。


グラインダー

「どういうことって----?


フレア王子

「お前がラチェットを殺そうとしてるんだ。


グラインダー

「俺が!?


トルク王子

「俺たちじゃ、ダメだったんだよ。

どんなに慰めても。


レシプロス王子

「ああ、なんの慰めにもならなかった。


ブロワー王子

「そうそう、ちょっと喜んだだけ。


グラインダー

「うむむ、で、どういう事なんだ!?


フレア王子

「ふう、もういい、帰る。

不愉快だ。


王子達はそれぞれに文句を言って帰って行った。


二ブラ

「グラインダー、わからないのか、

ラチェット様にとってお前は特別なんだよ。


グラインダー

「俺が!?俺なんかをそんな。

ありえないな。

まあ、そこまで言うなら、ズバリ陛下に聞いてみるよ。


二ブラ

「ああ、お会いしてこい。




-----



グラインダーが見慣れた王の寝室の扉を開けると、

そこにはげっそりやつれたラチェットが巨大なベッドの真ん中にポツンと寝ていた。


何も食べていないせいか、頰がこけているがそれでも美しい。


グラインダー

「陛下------


ラチェットはうっすらと目を開けた。


ラチェット

「グラインダーさん -----

どうして----


かすれた小さな声だ。


グラインダー

「二ブラから陛下がご病気だとお聞きして飛んできました。


ラチェットは毛布で顔を半分隠して、涙を流し始めた。


ラチェット

「すみません----め、迷惑おかけして----


グラインダー

「迷惑など、いつでも駆けつけるとそう言ったじゃないですか。


ラチェット

「だけど、グラインダーさんの----お仕事もありますし-----お父様は---ご病気で---

結婚式も---ある--のに---


グラインダー

「仕事は弟に任せてきましたよ。

父もめちゃくちゃ元気で、倒れたのが嘘みたいですし、

まあ、結婚式は明後日だったので延期してもらいましたけど。

陛下の方が大事ですよ。

お体にもしものことがあったら俺は一生悔やみますよ。


ラチェット

「心配おかけして、すみま--せん


ラチェットは顔を赤くしてまだ泣いている。


グラインダー

「ところで、陛下はいまなんで泣いてるんですか?


ラチェット

「わかりません----。涙が止まらなくて。


グラインダー

「泣き虫は相変わらずですね。


グラインダーもラチェットも笑った。


グラインダー

「ところで、二ブラに聞きましたが何も食べてないんですってね。

食べないとダメじゃないですか。

ただでさえ細いのにこんなになってしまって。


グラインダーはラチェットの手に触れた。

本当に壊れそうなくらい細い。


ラチェット

「はい、グラインダーさんのお顔を見たら元気が出ました。

わたし、食べれそうです。


グラインダー

「そうですか、そのいきですよ。

明日、俺、帰りますが、その、大丈夫ですか?

お、俺がいなくても。


ラチェット

「--------はい。

大丈夫です。

大丈夫---。

頑張りますから。


ラチェットは痛々しく微笑んだ。


グラインダー

「では、失礼します。

後で、プリンお持ちしますから。


ラチェット

「は---い------


グラインダーは立ち上がって、騎士の礼をした。


なんだ、やっぱり二ブラの勘違いだったじゃないかと

思いながら、扉を開けようとした時。




ラチェットが叫んだ。




ラチェット

「大丈夫なんかじゃありません!


それはおそらく精一杯の大声だった。


ラチェットはベッドに体を起こした。

毛布を握る手がガタガタ小刻みに震えている。


ラチェット

「わ、私は-----

私は、初めてお会いした時からずっとずっと-----グラインダーさんの事が---だ、大好きでした。

目が合うと----ドキドキして、嬉しくて、幸せな気持ちになるんです。

でも、グラインダーさんがいつも一緒にいてくださったから気づかなかったんです。

グラインダーさんがご実家に戻られて---

そばにいなくなって-----はじめて----

わたしにとって大事な方だということがわかりました。


それどころか------

あなたがそばにいないと生きていけないんです。


私は---私は-----




グラインダーは怖い顔をして、

途中のコーヒテーブルをなぎ倒しながら

ラチェットの方へズカズカと歩いてきた。


ラチェット

「私は、グラインダーさんを----愛して----


ラチェットの言葉はグラインダーの唇でせき止められた。

グラインダーは軽くなりすぎたラチェットの体を抱き上げてキスし続ける。

ラチェットはおずおず、グラインダーの首に手を回した。





-----------エピローグ


かくして、グラインダーは領主を弟に任せて、結婚も破棄、王都で騎士団長兼、王様の愛人として

頑張ることになったのである。



ある夜、宰相二ブラは騎士団長グラインダーを呼び出した。

秘蔵のワインを出して乾杯する。


二ブラ

「陛下とはうまくいってるのか?


グラインダー

「ん、まあ、な。


グラインダーはにやけた。


グラインダー

「はあ、それにしてもあと5年か。

陛下の寿命。

そう言われてたな。


二ブラ

「あ、ああ、それだけどなあ。

嘘だ。


グラインダー

「はあ!?


二ブラ

「おかしいと思わなかったか?

陛下はお会いした時からまったく成長していない。


グラインダー

「確かに少女のようなあの時のままだが---


二ブラ

「陛下は---ラチェットの母親はエルフだ。

だから歳をとらない。


グラインダー

「なんだって!?


二ブラ

「それがバレる前に、あっちの国に連れて行く。


グラインダー

「あっちの?


二ブラ

「海の向こうのエルフの国だ。


グラインダーは 呆然としている。


二ブラ

「本当はラチェットは私に惚れさせる作戦だったんだが、

結果はご覧の通りだ。

だから、お前も連れて行く。


グラインダー

「うむ、よくわからんが、俺はラチェットが行くところについて行くだけさ。


二ブラ

「そういうと思ったよ。

まあ、体を鍛えててくれよ。


戦いが待っている。



おわり






R18コーナーに「王様はストリッパー二人が結ばれるシーン」を投稿しました。


「王様たちの物語」に短編のお話を追加しました。


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