サイドA その3
【登場人物】
アイリ……普通の女子高生
コウスケ……私の幼馴染
ヒメカ……名家の黒髪お嬢様
スミレ……フワフワ、癒し系女子
ココ……無口な文学少女
エミリー……金髪元気はつらつ留学生
デスゲームに参加している実感が無いまま残り三人になってしまった。
コウスケ、ココ、それと私。
恐らく次が最後の試練になる。
出口と思われる扉がある一階に到着した。
最後の試練はシンプルだった。
「えーっと……残る人間を一人選んでください。方法は話し合いでも殴り合いでも自由です。誰が残っても構いません、だって」
ココは読み上げなさそうだから私が読んだ。
「最終試練に残るのは三人を想定しているから、ここに残った人は脱落で、二人は結ばれるってことだろ?」
「誰が残っても構わないって書いてあるけど、男でも女でもハーレムを作ってる人は抜けるのが普通だと思うんだけど……」
「それも限定しないってことだろ? 例えば最後に残った二人がハーレム主に愛想を尽かして、結託してハーレム主を残す。そういう状態を想定しているんだと思う」
確かにコウスケの言うことも一理ある。さっき私もコウスケに愛想が尽きかけたもの。でも、ここまで来たら初志貫徹で必ずコウスケと結ばれるんだから。
「あとは一人残すってとこかな? ここまで課題によっては複数人が辿り着くことも想定しているだろうから、こういう書き方なのかな、って感じがする。一人残れば後はゴールできるっていう。逆に一人でココまで来ると詰むんだろうね」
コウスケの説明を聞いて、なるほどと思った。一見、シンプルなデスゲームに見えて最後にこういう罠が残ってるのか。
「それで、誰が残る?」
コウスケがやけにあっさり聞いてきて、私はまた戸惑ってしまった。
「コウスケ君には……生き残ってもらいたいから……あれ……」
ココがそう言って部屋の隅を指さす。
戦うための様々な武器が置いてあった。
日本刀、薙刀、弓矢……ヒメカが残っていたら危なかったな。とういうか経験がない普通の女子高生にこんなの使いこなせないだろう。
棍棒に斧にサバイバルナイフにボーガンまである。サーベルにレイピアもある。サーベルもボーガンも普通は使いこなせないだろう。用意すればいいってものではない。
ただ、ココが指し示したということはこれで戦う意思があるということだ。
上等じゃない。
ヒメカやエミリーが相手だとこういう力比べは自信がなかったけど、ココならなんとかなりそうだ。
私は意を決してサバイバルナイフを取る。こういうのは小回りが効くのが一番いいのだ。
対するココは大きめの斧を手に取っている。
えっ、斧?
ココは身長が低いから大きめの斧なんて使いこなせるはずがない。
確かに当たれば一撃は大きいがそんなの振りかぶっていたら隙ができるのは私でも想像ができる。
それとも何か秘策があるのか……
ここで生き残れば脱出できるのだ、油断せずにいこう。
「おりゃあー」
気合いが入っているのか、入っていないのか分からない掛け声でココが斧を振りかぶって襲いかかってきた──はずだったが、やはり斧の重さに振り回され、そして転んだ。
だから、別の武器にすれば良かったのに……と一瞬同情したが隙は見逃さない。
仰向けに倒れたココに馬乗りになりナイフを突き下ろした。
何度も何度も何度もナイフを突き立てた。
ここで終わりなのだ。返り血なんて気にしていられない。
もうこれぐらいでいいだろう。
何度目か分からないナイフを刺したところで刺すのをやめた。
これでコウスケと私の二人だけ。
国からの支援も含めて薔薇色の人生が待っている。
「さぁ、コウスケ。ここから出ましょう」
私は振り返ると信じられない光景を目にした。目が飛び出る表現が漫画であるけど、まさにそれくらい目を見開いた。
コウスケの横にはエミリー、スミレ、ヒメカが立っていたのだ。
どういうことなの?
これは夢?
どこからが夢?
理解が追いつかない。
「アイリちゃん……やり過ぎ……」
もう一つあり得ないことが起こった。
滅多刺しにしたココが起き上がったのだ。
あれで死なないなんてあり得ない……一体、何がどうなっているんだ。
あまりの衝撃に私は腰を抜かして倒れてしまった。
お読みいただきありがとうございます。
4〜5話で完結予定です。
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似たような世界観で書いている作品をシリーズでまとめてますので、もしよろしければそちらもご覧ください。




