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マッチとポンプで異世界神様業  作者: ゆうと
第Ⅲ部:武術大会編
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第45話:魔法に関する謎解き風景


前話と変わって、真面目(?)なお話です。

ロココさんの力やダンジョンギア、魔法の仕組みが明らかに…!?



 



「急がせちゃった?」

「いえ。もうじっくり温まりました」


 イブ姉さん、まさかの湯上り浴衣姿です。

 ロココさんグッジョブすぎる…!



「お湯かげんはいかがでした?」

「温泉…… 素敵な文化ね」

「喜んでいただけてよかったです」


 さすがロココさん。

 冷たいお茶と少量のかき氷、そしてスキンケアグッズを添えたミニワゴンを、ゆったりめの椅子の隣に設置してある。



「カイトに聞きたいことがあってね」

「何でしょう?」

「魔法のこと」


 なるほど…

 実は俺も、知の神と話してみたかったテーマである。


 なかなか、ヒュム達による魔法の開発が進まないのだ。

 そろそろユニークな新呪文の一つや二つ、開発してほしいところだ。


 実際、アカデメイアでそうした研究が進められてはいる。

 けれど、成果は出ていない。



「あれは、どういう仕組みなの?」

「仕組み…… ですか?」

「そう。仕組み」


「……えっと」


 もともとは、ダンジョン用につくったジョブに備えた能力が、魔法だ。


 ダンジョンギアに、コアをセットしてジョブになる。ジョブになると、使える呪文がモニターに表示される。その呪文を詠唱して、魔法を使う。

 呼び出すものは、アマテラのアイデアだ。彼女の炎と闇を贄に精霊の住む世界の門を開く力を手に入れることになる。



「そうだよね? ロココさん…」

「はい。その通りです」


「呪文を詠唱すると、魔法という現象が生じるのは?」

「ロココさんの特性グッズです」

「なるほど。神器が創造神から授かっている具現化の力ね」

「その通りです」


「グッズについて教えてもらえるかしら?」

「オレからも頼むよロココさん」

「はい、わかりました」


 <いい感じボード>に、ダンジョンギア(腕輪)とコア(小さなボール)が映し出される。


「魔法という現象…… 例えば自己バフやシールドの発生などといったカイトさまのイメージを具現化するアイテムが、ダンジョンギアでございます」

「なるほど」

「ジョブコアには、基礎呪文のイメージを注入済みです」

「つまり、新呪文は新しいコアでギアにイメージを追加しているのね?」

「さすがイブ様。その通りです」


 ボードには、新呪文のコアがセットされ、ギアに呪文の発生効果に関するイメージが追加(注入)される様子が映し出されている。



「なるほど…… 整理するから誤認部分があれば指摘してね? 」

「承知しました」

「ダンジョンギアがイメージの具現化。ダンジョンコアがそのもとになるイメージ」

「その通りです」


「じゃあ、呪文詠唱はダンジョンギアの具現化に関するルールってことかしら?」


 そうなのだ。

 ジョブは、新たな魔法ギアを入手することでアップデートされ、更なる呪文が追加されることになる。呪文の詠唱は、ダンジョンギアというアイテム使用上のルールにすぎない。魔法イメージの発生や維持をコントロールしているのは、腕輪ギアなのである。

 ちなみに、ギアのエネルギー残量表示は、電池の残量表示にヒントを得ている。アイテムコアにより充電も可能だが、無制限に、連続で戦い続けることを回避させるための安全装置なのだ。




「おっしゃる通りです」


 背中の隙間に、そんなカラクリがあったとは……

 いろんな物をそこから取り出して、いい感じにしてくれているロココさんの力。

 その仕組みが、なんとなくオレにもわかってきた。



「具現化の力で、桜餅や温泉とか、オレのイメージを具現化してくれてるんだ?」

「はい」

「フルリメイクは?」


 オレは、プレイしたことがなかったはずだ。

 旧作ゲームについては、物語の内容を覚えている。

 しかし、フルリメイクについては、ゲーム内容についても覚えてない。

 要するに、知らないのだ。


 つまりオレは、フルリメイクを、イメージできないわけである。

 でも、ロココさんは手に入れてくれた。



「創造神のデータベースを検索し、該当するものを入手しました」

「……なるほど。整理していい?」

「素敵な試みです」

「ありがと!」


 こういう時は、<いい感じボード>をフル活用である。



===================

 ロココと特性グッズの正体!?


 1.オレのイメージを具現化


 2.創造神のデータベース →オレが抱いたイメージを検索 →ヒット →入手

===================



 オレが名前を思い出せない商品なんかをサッと出してくれることがある。

 その場合は、オレが思い出そうとして頭に浮かべたイメージを、画像検索のように創造神のデータベースに入力して、手に入れているってことだろう。



「さすがカイトさま。適切なご理解かと」

「ありがと!」

「これで、ダンジョン内で魔法が使用できる仕組みは理解したわ」


 そうだ。

 イブ姉さんの核心部分は、ここじゃない。



「じゃあ今、この星で生じている魔法という現象は? 」


 ギアやコアを使わずとも、魔法を使えている。

 それは、どのような仕組みに基づいて生じている現象なのか……



 いやまさか… そんなはずはない。

 でも、他に可能性はないように思われる。




 あぁ…マズい


 とても、嫌な予感がする。

 きっと、こういう予感ほど的中してしまう……




「現状のデータで構築される仮説は1つね」

「……でもそれは不可能なはずです」

「私もそう思ってたわ。でも、世界の理を変える音よ」


 やっぱりか。

 イブ姉さんと向き合い、互いの結論を確認しあう。



「ダンジョン外でギアを伴わない魔法という現象は、神樹の力を利用して発動に至っているわ」

「呪文は、各魔法を、つまり特定の現象を実現したいという願い事を、神樹に届ける定型文になっている」

「そして呪文詠唱は、神樹へ祈りを捧げる行為として機能しているわけね」


 二人が、同じ結論に至っている。


 どうやらこれが、現状で最も可能性の高い仮説である……



 では、「どうやってこの仮説を検証するか? 」が、次のポイントだ。



「検証のために、多様な種族の神樹を観察し、成長を計測する」

「イブさんと同意見です」

「観察結果の可能性は、3通りね」

「はい」

「まず私から…… 可能性1、神樹に大きな成長はない」

「可能性2、ヒュムの神樹が特に成長する」

「可能性3、各種族の神樹が成長する」


 可能性が3つ、ロココさんの手で<いい感じボード>に書きこまれていく。



「まず、可能性1ね。神樹が成長しなければ…」

「先ほどの仮説は支持されない」

「つまり、魔法の仕組みに関する新しい仮説を明らかにする必要が生じる」


「可能性2、ヒュムの神樹が特に成長する場合ね」

「仮説を支持する結果です」

「そうね…… 」

「つまり他種族の願いも叶えられる力を、オレが手にした可能性が高い」

「魔法という仕組みをもって、カイトは全種族の守護神になったと言えるわ」

「……はい」


「可能性3ね。各種族の神樹が成長する……」

「仮説を支持。その他への影響はなし」



 でも、いずれにせよ……


「魔法によって、間接的に、(オレ)は願い事の内容や結果に干渉できる」

「そう。おろらくカイトが変えた世の理は、そこね」


「可能性2なら、更に、理を変えた可能性がある」

「えぇ。ヒュム族の守護神以上の存在にカイトがなったことも、変更点ね」


 なるほど。

 うん。小さなことは気にせずに…


 気が付かなかったことにしたい…



「そっか。なぜオリジナルの魔法が生み出せないかわかった」


 この仮説で考えると、生み出せない理由を説明できる。



「魔法は、その効果(特定の現象)を本人が具体的にイメージしないと使用できない」

「効果が、願い事の具体であるためね」


「だから星の住人は、ダンジョンで各魔法の効果を目の当たりにするか…… 」

「他者が使用しているところを目撃してそのイメージを手に入れる必要がある」


「そして、その魔法は、現状、あなたたちが生み出している」

「はい…… 」


 そっか。

 道理で新呪文の開発が進まないわけだ。


 呪文が発動して生じる現象のイメージを、コアに込めることができないのだから。

 それができるのは、神器ロココさんだけである。 



「あ… 」

「何?」

「他の神も、神器の力を借りてダンジョンコアを生み出せる?」

「魔法を開発し、提供者になれる可能性は高いわね」

「じゃあ…… 」

「私も試作してみるわ。検証が必要よ」

「お願いします」


「つまり、結果2に別の可能性もあるわけね」

「はい。魔法によって、全守護神が、他種族にも干渉できるようになっている」

「これも、世界の理を変えていることになるわね」



 そしてさらに言えば……


「コアを独自開発し、神器に頼らずイメージを込められる者がいたら……」

「守護神以外の者が、神樹へのアクセス権を持つ可能性があるわね」

「ロココさん!」


「はい。すでに確認できるダンジョンギアをアップデートしました」

「さすが!」


「これにより、カイト様の開発したコア以外をギアに接続不可能に」

「ありがとう…!」


 久々にムギュっと抱き着いて、皮膚のザリザリザリリ感を堪能する。

 マジで有能だ。さすがですロココさん…!



 しかし無自覚とは言え、社長のルールを破壊しまくった件…… 


 これ、大失態なんじゃないだろうか。

 


 どうか社長から、お呼び出しが、かかりませんように……



 お願い神樹さん、この願いを叶えてください…!






ありがとうございました!

設定の説明っぽくなってる気が…… もう少し表現力を高めたいこの頃です...

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