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マッチとポンプで異世界神様業  作者: ゆうと
第Ⅱ部:ヒュム族平定編
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第36話:悪友あるある

 



 以前、確認や検討点として考えていた問いを、じっと見つめる。


――――――――――――――――――――――


 Q1.ヒュム族の地にたくさんのダンジョンを設けるべきか? 一つに絞っておくべきか?


 Q2.上位魔法の行使や上位精霊の顕現が、ギアの力に頼らずとも可能になるか?


――――――――――――――――――――――



 Q1については、一つに絞っている状態だ。


 Q2については、まだわかってはいない。誰も挑戦していないため、今後に期待である。



 さて、獣人族が移住してきてから、さらに一年ちょっと経った。


 この里を中心に、精霊が定住するようになり、ヒュムの生活は安定しつつある。

 現在のところ、ダンジョンは、この集落にのみ現れるようにしている。ダンジョンで得られる力や資源が悪用される危険を、可能な限り低くしておくためだ。ヨワヒムのような領主が、また何かしでかす可能性もある。



 ところで希望の里、今やダンジョン挑戦者の聖地となっている。各集落の代表者たちがパーティを組んで攻略に名乗りを上げるシステムにしたためである。

 ダンジョンはいつの間にか、魔法や精霊の力を借りて、自らの集落の生活を豊かにしたいと願う者が、そのための方法を学んだり、自らを高めたりする舞台へと、社会的に位置付けられるようになった。


 もちろん、パーティの出身集落全員に、参加賞を自動で配ったり、途中の報酬(ノート類等)が提供されたりするようにしている。そのため、集落の運命を担う正義感や使命感に溢れる若者たちが、里に集うようになっているのだ。



 ダンジョンが攻略されて閉鎖されると、彼らは集落に戻り、その学びを地元に還元する役割も担っている。集落においては彼らは英雄であり、救い主であり、よい教師であるとも言える。

 

 そして挑戦者たちは、ダンジョンの再開とともに、また希望の里にやってくるのだ。


 こうした物流や人の移動が活発になり、集落を結ぶ道路の補強や設置が、急ピッチで進んでいる。まさに彼ら自身の手によって、未来を切り開いているわけだ。



 そして、そのきっかけを生んだともいえる大和だが…… 彼も一五歳になり、ますますオレの敵側(イケメン)に育ってきている。

 クルドとクルル、竜人族の二人との友情は続いているようで、時折、彼らは里を訪れては、しばしの滞在を楽しんでいるようだ。紅蓮と大和のコンビと、竜人二人が白熱バトルを連日おこなうのは、相変わらずである。


 里には、このバトル専用の簡易スタジアムが設置され、お祭り騒ぎになっている。

 もちろん夜は、大宴会だ。大和も酒を飲むことが認められる年齢になったようで、クルドと楽しそうに杯を交わしている。



 酒を飲み、クルドと二人で、色々とやらかしている様子も、モニター越しに伝わってくる。二人はもう、いわゆる悪友のような感じだ。一緒にいたずらをして叱られたり、恋愛トークで盛り上がっては下ネタが行き過ぎてクルルに冷たい目でにらまれたり、酔っぱらって深夜に全裸で川に飛び込んで怪我をしたり、失恋して慰め合ったり…


 戦って、笑って、泣いて、バカをやって、また戦って互いに高め合う。種族を超えた友情が、確かなものになりつつある。



 気が付けば、大和はクルドとクルルとパーティを組み、ダンジョン攻略にも挑戦するようになっていた。昨日の敵は今日の友。胸をくすぐるいい展開である。

 

 武闘派の竜人二人も、魔法や精霊召喚を試してはいるようだが、精霊憑依には至っていない。竜人族は精霊を倒すことを武の証としてきた歴史もあり、あまり相性が良くないのかもしれないな。


 クルドとクルルは、ともに好んで自己バフのできるジョブ、切り裂くものを選んでいる。大和は唱えるものを選ぶことが多く、癒すものや支えるものがパーティにいないことになる。そのせいで攻略が上手くいかず、三人はしょっちゅうケンカしているが、それも見慣れると微笑ましい。


 特に、敵(役を務めているアマテラの眷属さんたち)の弱点を分析する支えるものの不在が、決定的である。弱点を見極めたり、指示を出したりする柱が不在のパーティでは、中層以降の難敵には叶わない。戦闘中に弱点を変化させ続ける敵には、煮え湯を飲まされ続けている。パーティの四人目として、猫タイプの獣人、愛嬌たっぷりのどじっこ少女ペルシャが加わったのは、そうした経緯からだった。



 ちなみに、大和もクルドも、ペルシャに恋心を抱いてる。


 ちょっとツンツンした気高い感じなのに、実はかなりのドジッ娘で、転んだり、アイテムを落っことしたりするペルシャ。そして、ツンデレでそのミスを乗り切ろうとするのだ。

 アイテムを落とした際は、「別にくやしくなんてないんだから」と涙目になったり、転んだ際にうっかり「痛いにゃぁ」と猫っぽい素の話し方で呟いた後、慌てて「別に転んでにゃいんだから。床のトラップのせいにゃんだから」と強がる始末である。


 これでもかと個性を爆発させたペルシャに、二人は、あっけなく陥落したわけだが…そこから、恋愛バトルが始まった。


 ダンジョン攻略中に繰り広げられる二人のアプローチは、非常にわかりやすい。


 ペルシャにカッコいいところを見せようとして失敗したり、手に入れたアイテムをペルシャに優先的に渡したり、過剰に使ったり……

 

 それに気が付かないペルシャの鈍感ぶりは、もはや名演技に見える程である。


 大和に惚れているであろうクルルのイライラや八つ当たりは、コメディっぽく、時には涙を誘うような感動もあり、ちょっとした連続ドラマを見るような感覚になる。視聴率は百%だ…… と言っても、視聴者はオレとアマテラとロココさんの三人だけどね。



 そんなクルドと大和だが、バカやったり、戦ったりしてるだけかと思ったら、ある計画をずっと練っていたようである。 



 それは、全種族統一大武術大会だ。



 クルドとクルルとの交流を通して、大和は他種族にもいい奴はいると考えるようになったのだろう。それゆえ、互いに傷つけあうだけの道を選ぶことはしなかった。他部族と対等な立場に立ち、友和を結ぶ。そのために力を磨き、使うことを考えるようになったようだ。


 その結果生まれたのが、他種族を招いて武術大会を開くというこのアイデア。


 優勝した種族に、残りの種族が従うこと、ただし侵略や戦争といった破壊行為は認めぬこととすると、大和のアイデア書には書いてある。これから、時期や会場建設などを進め、各種族に案内状を送る手はずのようだ。


 クルドとの会議の最中、このアイデアが実現しそうな手ごたえを感じた大和は、テンションが上がったのか、大声で叫んだ。



「他種族の猛者よ。ヒュムの挑戦を受けてみよ!自信がないのなら逃げて構わない!」



 高らかに響いた大和の挑発は、届いたのである。


 なんと、各種族の神々に……



 こうしてオレの神様業は、武術大会編を迎えることとなる。他の神々を巻き込みながら…




                              第二部:終了



 第二部、終了です! 最後までお付き合いくださりありがとうございました!


 最近、ようやくサイトの仕組みがつかめてきました。ブクマを頂いていたと気付き、とても励みになりました\(^o^)/ ありがとうございました!


 よろしければ、第一部と第二部につきまして、感想や評価などいただけますとありがたいです。

 

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 神権の入手について質問です。 主人公は何故、ダンジョンの創造者としてヒュムに言わないのでしょう? 主人公がヒュムの神であり、ダンジョン...つまり試練を与えしものとして、ヒュムに宣言しないの…
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