最終話『君とまた未来を歩くために』
春――新居の窓から柔らかな光が差し込む。
陽菜はベッドに横たわりながら、さくやの手を握る。
「……さくやさん……今日は……一緒にいられる……」
「……もちろんだ、陽菜……俺はずっとそばにいる」
陽菜は微笑もうとするが、目には涙が浮かぶ。
「……覚えてる……? 私……さくやさんと出会った日……」
「……ああ、もちろんだ……君の笑顔も、声も、全部覚えてる」
陽菜は少し息を切らしながらも、さくやの胸に顔を埋める。
「……さくやさん……もし……私が……また忘れちゃっても……」
「……陽菜……絶対に大丈夫だ……何度でも思い出させる……君のこと、俺が守る」
二人の手がぎゅっと重なり、互いの体温が心に伝わる。
昼――病院の白い廊下で、医師から朗報が告げられる。
「……陽菜さんの病状は、奇跡的に安定しています。記憶も回復傾向です」
陽菜は泣きながらさくやの腕に飛び込む。
「……さくやさん……私、覚えてます……全部……!」
「……よかった……陽菜……本当に……」
夜――自宅のベッド。
二人は抱き合い、涙を流しながら笑う。
「……さくやさん……私、これからもずっと、あなたと一緒に歩きたい」
「……俺もだ、陽菜……二度と離さない」
陽菜はさくやの胸に顔をうずめ、手を握り返す。
「……さくやさん……ありがとう……ずっとそばにいてくれて」
「……陽菜……俺の方こそ、ありがとう……君がいてくれるから、俺は強くなれる」
静かな夜――窓から差す月明かりが二人を照らす。
過去の不安も恐怖も、全て乗り越えた二人。
「……さくやさん……私たち、これからも一緒だよね?」
「……ああ、陽菜……ずっと一緒だ」
二人の手が重なり、胸にぎゅっと暖かさが広がる。
涙と笑顔が交錯する中、二人だけの未来が確かに動き出した。




